第52回目のサイトインタビューは「手染メ屋編」です。

手染メ屋のサイトはこちらです
今回のインタビューは 手染メ屋 さんです。染めにこだわった染めTシャツをを制作販売している手染メ屋さんからどのようなお話が伺えますでしょうか?お楽しみに。
[第52回目] 「Tシャツサイトインタビュー」〜手染メ屋編〜 (2009/4/5収録)
クラゲ : 今日はよろしくお願いいたします。
手染メ屋 : よろしくお願いします。
クラゲ : まず最初にブランドの自己紹介をお願いいたします。
手染メ屋 : はい。ウチは、オリジナルのTシャツやパーカ、パンツアイテムなどを作ってそれを天然染料で製品染めしている染め屋兼服屋「手染メ屋」です。
クラゲ : 「手染メ屋」というブランド名の由来を教えてください。
手染メ屋 : あ、いえ、もう、手で染めるっていうだけの仕事ですから。ひねる頭がないので、そのままです。ハイ【^^】。『め』くらいはカタカナにしたらそれっぽいかな、と思って…。それっぽい、って何っぽいのかもよくわかりませんけど。ただそれだけです。
クラゲ : 個人的にはストレートでシンプルないいブランド名で大好きです。そんな手染メやさんが染めによるTシャツを作り始めたきっかけは?
手染メ屋 : 天然染料…、ま、いわゆる草木染めってヤツですけど、その草木染めの色が好きになって脱サラして、染めで食べていこうと思ったときに、やっぱり自分が着たいものを作ろうと。ごくありきたりのことなんですけどね。で、ボクはそんなおシャレさんでもモード君でもなくて、ただジーンズと古着とTシャツが好きな普通の30歳の青年だったので、ま、Tシャツから初めよっかな、っていう感じです。そんなに確固たる野望があったわけではありません。
クラゲ : そこからTシャツを売り始めたのはいつ頃からですか?
手染メ屋 : ネットを販売媒体にして仕事をすることは、脱サラしたときから決めてました。っていうか、お金もコネもない人間が何か具体的な物販を始めるとすると、そこからしかないかな、と。以前勤めていた会社の経験で、百貨店さんやお店さんに卸す仕事はしたくないな、と思ってましたから。ま、もともと百貨店さんにお相手していただける商品でもないんですけどね。
ですから、最初はネットだけで始める予定だったんですが、2002年に独立するために借りた工房スペースが思ったより広くて、しょうがないし工房だけじゃなくて店もやるか、なんてことになりまして、まずはお店がその年の2002年7月7日オープンしました。お店オープンのきっかけは、工房として借りた場所が予想外に広かったからです(笑)。そして9月からサイトopenしてネット販売始めた、と言う感じです。
クラゲ : 工房、実店舗、サイトオープンがほぼ同時にスタートされたんですね。
手染メ屋 : 当初はネットだけで商売するつもりだったんですけど、借りた物件が広くて、何に使おうか、ぢゃ、しょうがないしショップでもする?って感じです。はい、むちゃくちゃ行き当たりばったりです。で、染め作業している工房と商品を置いてる店が隣同士なので、染めたらすぐにお店における環境でして、なんかパン屋さんみたい、と思いまして、ウチのショップのコンセプトは「町のパン屋さん」です。(クラゲ注:店舗の地図はこちらです)
クラゲ : 最初にTシャツが売れたときのことを覚えてらっしゃいますか?
手染メ屋 : オープン当初のお客様は全部お友達もしくはそのツテの方だけだったんですね。良くある話ですが。初めて一見さんが買ってくださったのは7月末の頃。オープンして一ヶ月弱です。ふらっと店に立ち寄られた男性でした。当たり前ですね。サイトも未だないし何の宣伝もしてないんですから。
なんか、はずかしくてね。自分の商品の説明するのが(笑)。「色、落ちやすいんですよね…」とか「あんまりハッキリしない色目なんで好みが分かれるところですけど…」とか、なんかすごくネガティヴな説明ばかりしてました。今でもよく覚えてますよ。
で、実際にこれ買いますって言われたとき、「え!?」とか言っちゃいました。ほんとに。もう、ほら7年も前のことじゃないですか。
で、正直申し上げて、その頃のウチのTシャツのクオリティってホント低かったんですよね。もちろんそのときはいっぱいいっぱいだったんですけど、今考えると本当にこっぱずかしい仕上がりのTシャツですよ。もしそのお客さんがまたお店に立ち寄ってくださったら、当時買ってくださった商品を取り上げて、代わりに今のTシャツをお渡ししたいです。「あの時はどうもスミマセンでしたっ!これ、代わりに使ってやってくださいっ!」って謝りながら(笑)。
クラゲ : もし当時のお客様がこちらのインタビューを読んでいたら、連絡してくれるとうれしいですね(笑)。他にもネットでTシャツを販売されててうれしかったことはございますか?
手染メ屋 : 嬉しかったことは、これもやっぱり月並みですけどTシャツの色や形や風合いに関するメールをお客様からいただけたときですね。これは何年やってても嬉しいです。売買取引に必要のないメールをわざわざお客さんが送ってきてくださるんですから。これはホント嬉しいです【^^】。
あと、そうですね…、商品が届いた後に「これ、新品じゃないでしょ!」ってお客様から怒られた事があります(笑)。製品染でしかも首周りが着古した雰囲気になるようなネック始末にしているので、それがお気に召さなかった、ってことなんですけど、そっか、ウチの商品って中古に間違われるくらい年季の入ったユーズドの雰囲気持ってるんだな、とちょっと嬉しかったりして。もちろんご返品いただきましたけどね、そのお客様は。
クラゲ : 逆にネットでTシャツを販売していて大変なことはどのようなことですか?
手染メ屋 : 月並みですがサイズとカラーを正確に伝えられないことでしょうか。ウチの商品は、染め屋なので色が一番大切な要素なんですが、これがモニターではちゃんと伝わりません…。ボクの技術不足ってのもありますけど。それにTシャツのサイズもものすごくわがままに、すなわち僕の体型やヨメの体型にぴったり合うように作ってるので、とってもストライクゾーンが狭くて、表記の仕方も身長サイズなので、わかりにくいみたいです…。
受け取っていただいて「なんか違う…」と言うことがたまぁにあるので、お支払いは完全後払い制にしてます。ま、大変なのは自分たちのせいだ、って感じですけどね。
クラゲ : では、ネットと違ってお店でのTシャツ販売されてみての感想はいかがですか?
手染メ屋 : じかにお客さんとお話ができる、ってことでしょうか。これに尽きます。はい。
クラゲ : 自分のブランドのTシャツの中で一番お気に入りのものはどちらですか?また、どうしてでしょうか?
手染メ屋 : 全部と言えば全部なんですが、一番気に入っているのは色無地Tシャツですね。この12色の中での好きな順番は決められないです。時期によって順番変わりますから。
絞り・締めなどの柄Tシャツももちろんかわいい子達なんですけど、ボクは元々色が好きでこの世界に入ったわけで、で、ウチの今の色無地Tシャツはボクが昔頭に思って目標にしてた色目のバリエーションにかなり近い仕上がりになってると思うんです。手前味噌で申し訳ないですけど。絞りなどの柄Tシャツはある意味ネタです。だから着る時もネタ扱い。普段、服としてコーディネート考えながら使いたいときは絶対色無地です。
クラゲ : 手染メ屋さんで販売されている「手染め絞り・締めオガTee」が非常に気になるんですが、バリエーションははどのように考えてらっしゃるんですか?
手染メ屋 : いえ、もう、その場の行き当たりばったりです。サイトに掲載してる以上にバリエーションあります、実は。この倍はあるかな。時々、前もってネタとしてひらめいて、それを染めのときに形にする、っていうような作り方もしないではないですが、ほとんどはなんのネタもないまま、藍染めをする前に絞るときに、ちょっと試しながら工夫しながら勝手に出来たものです。ですから、実は、ほとんどの柄名は後付です。柄を絞ってる間に名前が浮かんでくるのもありますけどね。
っていう風に、他のグラフィック系Tシャツのデザイナーさんとはその仕事の本気度が違うんだと思います。柄ものに関しては本当にウチはいい加減です…。すみません、こんなところにお呼びいただきましてm(__)m。
クラゲ : いえいえ、名前が「浮かび上がってくる」っていうのが自然体な感じでいいですねー。手染メ屋さんが他のブランドに「ここは負けない」というところはどちらですか?
手染メ屋 : いや、それ、ないんですよ。うちよりかっこいいブランドたくさんありますから。45rpmさんとか。例えば45rpmさんの或るシーズンの或るTシャツとうちのTシャツだったら、あ、ウチのTシャツのほうがかっこよかったかも、って思うことはありますけどね。
うーん、っていうか、「ここは負けない」の「ここ」っていうのがボクはわからないかも。だって、服って、結局総合点での評価じゃないですか。これ服だけじゃなくて、プロダクト全てにいえることだと思うんだけど。いくら「ウチのTシャツは色にこだわってますっ!」なんて鼻息荒く言っても、パターンがイマイチだったり素材感と色目が合ってなかったら全然いけてないTシャツですよね。だから、「ここ」に勝った負けた言ってもなんの意味もないのかな、と。
ボクが、もやぁっとした色目が好きで、で、ふわぁっとした素材感が好きで、形は至ってシンプルなものが好きで、で、ほんの少しだけ“ネタ”的なフレーバーが入ってるのが好きで。そんなTシャツを作りたいわけでして、だからオリジナルのオーガニックコットン素材でTシャツ作って天然染料で染めてるだけです。
すみません、答えになってないかも…。
えーと、だから、他のブランドさんに負けたり勝ったりしてる要素ってのはよくわかりません…。ごめんなさい。で、うちよりかっこいい服屋メーカーもあれば、ウチよりかっこ悪いメーカーさんも世の中にはありますけど、僕としては、現在のウチのアイテムはかなりかっこいい部類に入ってます【^^】。手前味噌で恐縮ですが。Tシャツだけで言ったら、世界一気に入ってるかも、です。完成度が、ですよ。しかもボクの超個人的な判断基準ですので、そこのところをお間違いない様お願い致しますm(__)m。
クラゲ : 手染メ屋さんといえば「染め重ね無料サービス」が非常に気になるんですが、このサービスについて教えていただいてもよろしいでしょうか?
手染メ屋 : うちで染めたアイテムでしたら、それが何年経っていようと、どんなに色が薄くなろうと、何回目だろうと、無料で改めて上から染めさせて頂くというサービスです。天然染料はご存知の通り色変わりが早いです。これはボクの技術レベルとTシャツ程度にかけられるコストではもうどうにもなりません。なので、色落ち早いけど買ってね、とセールスするための言い訳サービスです(笑)。
染屋始めた最初からずっとやってるんですけど、ほら、美容院って、髪の毛切って気に入らなかったら1週間以内ならタダでもう一回きってくれたりするじゃないですか。あれがヒントと言えばヒントですかね。ちなみに、無料染重ねサービスご利用率は、お買い上げいただいたお客さんでだいたい2〜3%程度です。当初、もっとおおいだろうと思ってたんですけど、皆さん意外と大事に扱って頂いているんでしょうかね。
クラゲ : 手染メ屋さんが気になるTシャツブランドを教えてください。
手染メ屋 : 気になるTシャツブランドさん、最近はほとんどグラフィックTシャツをチェックしてないのでわかりません…。ホントすみませんm(__)m。
クラゲ : 手染メ屋さんとってTシャツとは?
手染メ屋 : あまりかっこいいことがいえないんですけど、「好きな色を一番手軽に表現しやすいアイテム」です。
クラゲ : 今後の目標を教えてください
手染メ屋 : おこがましいですが、天然染料で染めた服が普通に服飾の一ジャンルになれるように、その一翼を担えるようになりたいです。エコロジーっていう切り口を離れると、途端に存在価値が危うくなる今の草木染めアイテムの状況を打破したいです。一般の服飾市場に、天然染料アイテムが普通に存在する一文化になれる日がくるよう日夜頑張ります。
クラゲ : 東京Tシャツ部をご覧の皆様に一言いただけますでしょうか
手染メ屋 : 手染メ屋のTシャツは、他のクリエイターさんたちのかっこいいTシャツと違って、なんのひねりもないベタなヤツですが、一度お手にとって頂けると病み付きになってくださる方が100人に一人くらいはいらっしゃいます(笑)。あなたもそのお一人かもしれません!是非一度お試し下さいm(__)m。…ってすみません、タダの宣伝ですけど。
インタビューはこれで終わりです。
染めを愛し、ステキな染めをみんなに見て着て欲しいという愛が伝わってくる楽しいインタビューでした。京都に行くことがあれば実店舗に遊びに行きたいな、と思いました。
ということで、今回ご協力いただいた「手染メ屋」のサイトはコチラ。このインタビューを読んだ後にサイトを見てみると、新しい発見があるかもしれませんよ。
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