Tシャツブランドインタビュー第15回目は「スカラヴィジョン」です。

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第15回目のブランドインタビューは「スカラヴィジョン」。Tシャツブランドである一方、人気テキストサイト「人間道場」の主催でも有名なデザイナーのヤマシタさんにお話をお伺い致しました。どのようなお話が聞けるでしょうか?お楽しみに
[第15回目] クラゲの「Tシャツブランドインタビュー」〜スカラヴィジョン編〜 (2005/12/23収録)
クラゲ : では、今日はよろしくお願いいたします
ヤマシタ : こちらこそ
クラゲ : では、最初にブランドの自己紹介をお願いいたします
ヤマシタ : はい、スカラヴィジョンと申します。ブランド設立は2001年の5月です。表舞台に立ったのはその年のデザインフェスタでした。
クラゲ : 最初にTシャツを作成されたキッカケを教えていただいてもよろしいでしょうか?
ヤマシタ : これはですね、最初のきっかけを作ってくれたのがハードコアチョコレートのMUNEなんです。彼が最初にTシャツを作った時に「俺にも描かせてくれ」みたいなことを持ちかけたら、これは自分のブランドだから誰にも描かせたくない、と。でもやっぱり自分でも作ってみたくなったんで、それじゃあやってみよう、と。
クラゲ : ほー
ヤマシタ : なんか兄弟間の事情、みたいな感じですねこれ。で、自分でも趣味としてイラストを描いてたんです。ある日、フリーマーケットに出ることになって、自分の描いてたイラストもたまたま持っていって無料みたいな値段で出したら飛ぶように売れたんです。自分ではびっくりして、買ってくれた若者に「ほんとにこれ欲しいの?」と訊いたら「いいっすよ!これ!500円でも買いますよ」という言葉がきっかけで「やろう」という気持ちが固まりました。なので、あの時の若者にお礼がしたい。生ハムとか送りたい。あ、メロンもつけて
クラゲ : もし、あのときの若者がこれ見てたら、メールいただきたいところですね。って、関係ない人が生ハム&メロン欲しさに「僕、そのときの人です!」ってメールが来そうですが(笑)
ヤマシタ : そうなったらスカラヴィジョンはメロンで破産しそうです。メロン記念日と名づけます
クラゲ : そのフリーマーケットではどのようなデザインのTシャツを売ってらしたんですか?
ヤマシタ : いえ、まだTシャツは全然作ってませんでした。紙だけです。コアチョコのMUNEとコアチョコにいたゼライくん(クラゲ注:ハードコアチョコレートスタッフ)と僕は同級生だったんですが、漫画描いてみたり映画つくったりバンドやったりで何かを作る、ということで何かとともに行動はしてました。
クラゲ : ほー、そこで、イラストからTシャツになったのには理由があるんですか?
ヤマシタ : やはりコアチョコがきっかけというのもあるし、自分の作品を身につけてもらえる、というのが最高じゃないか、と思ったんで。買ってもらえるのか、っていうのが半信半疑なところもあったんで、まずはデザインフェスタでお客さんの好みを見てみようと。そしたら「最終兵器」というTシャツが嘘のように売れて。ああ、こういうのがいいんだ、と。で、その路線で行くことに決めました
クラゲ : 僕も最初にスカラヴィジョンさんのTシャツを知ったのが「最終兵器」だったんですが、
クラゲ : ネットでものすごい話題になりましたよね?
ヤマシタ : まあ題材が題材だったんで、それ系のサイトにも紹介されました。
クラゲ : 「最終兵器」について、感想のメールとかって来たりしました?
ヤマシタ : 何よりイベントでみんなチラッと見てから立ち止まって爆笑してくれました。「これ…」「はい、そうです」「ですよねー!」みたいな感じで。
クラゲ : ヤマシタさんというと、テキスト系サイトの「人間道場」も有名なんですが「人間道場」はいつごろからはじめられたんですか?
ヤマシタ : あれは1999年の1月か2月ですね。
クラゲ : じゃ、スカラヴィジョンよりもっと前からだったんですね。「最終兵器」とかのネタのチョイスも人間道場とリンクしているところがあったりするんですか?
ヤマシタ : いえ、全然ないですね。「侍魂」というサイトが発端だったと思います。一応ネタ元だったんで断っておこうと思ってメール出したんですが、無視されました。
クラゲ : だはは。
クラゲ : スカラヴィジョンさんといえば、ネタのチョイスがいいところついてるよなぁ、っていつも思うんですが、デザインのネタはどのような感じで考えられているんでしょうか?
ヤマシタ : 平均すると一日1個ぐらいのペースで出てきますね。あるモノがあるとして、それがこんなんなったら面白いなあという風に崩していくんです。何に関してもおチャラケるのが好きというのが当たり前の構造になってるんで、アタマが。
クラゲ : 笑
ヤマシタ : どんなものからでも「こうなったら面白い」という考え方は出来ると思うんですよ。例えばトイレの使い方でも、こんな使い方してるやついねえよ!という考えから30パターンぐらい出すとか。そういったものを日々考えて及第点のものだけをTシャツのネタにしています。まあ外すときもありますけれども。
クラゲ : そう考えると、1つのネタを色々な角度から突き詰めてみて、更に突き詰めたものをTシャツにしているんでしょうね。新作の「石焼芋」もそういう感じで出来たんでしょうか?
ヤマシタ : あれは崩すというよりどちらかといえばあるあるネタ的な要素が強いですね。ありがちなあるあるネタというより、自分だけの思い出だと思ってたのに他にもやってた人が沢山いるんだ、という発見があって。
ヤマシタ : そんなことを友人と話していて、あ、Tシャツにしよう、と。
クラゲ : ちょっと、戻るんですが、「トイレT」での30パターンのトイレの方法は、見た瞬間にすごいと思ったんですが、難産だったじゃないですか?あれだけの数の種類。
ヤマシタ : あれは実際に友人に協力してもらってポーズを撮影したんです。最初はパターン数は決めてなくて。で、爆笑しながら撮影しているうちに友人からも「こんなの面白いよね」というアイデアを出し合って40パターンぐらいあったのを絞って30に抑えたぐらいなんで、全部出すのには全然苦労はなかったんですよ。スカラヴィジョンにはいくつかテーマがあって、その一つが「チャート式Tシャツ」というのがあるんです。「チャートフェチ」っていうのはありますからね、僕もけっこうそうですけど。
クラゲ : ほー。「チャート式Tシャツ」について、もうちょっと詳しく教えていただいてもよろしいでしょうか?どのようなものなんでしょうか?
ヤマシタ : まあ直訳だと図表という意味でとらえてますが、要は一つのテーマで括られたものを規則的にならべたものというルールで作ってますね。
クラゲ : ほー
ヤマシタ : 結局はカタログ的な要素です。「トイレT」だったら洋式トイレ、「理科実験室」だったら理科実験器具というふうに。それがずらっと並んでたら楽しいじゃないですか。たまにハンズとかでいろんなパスタの種類とか香辛料の種類とかが全部載ってるようなポスターがありますけど、あれと同じようなものです。好きなんですああいうの。見て、比べる、というのがおニャン子クラブ的な。いや違う。
クラゲ : 同じフォーマットの中で種類が違うって面白いですよね。Tシャツのbodyのカタログとかも見入っちゃいますもん。「あー、こんな色あったんだー」とか。
ヤマシタ : その気持ちをくすぐる集合したときの全体の楽しさだけでなく、その中の個のひとつひとつに楽しさを持たせてあげる、というのがトイレTのいいところだと思っています。これからもそんなシリーズを作りたいと思ってます。
クラゲ : 最初はデザフェスで売ってらしたそうですが、そこからネットでも売り始めたのはいつごろからですか?
ヤマシタ : 同時ぐらいですね、当時はまだ自分達で手刷りだったんで、イベントに出したら在庫がなくなってしまうので、デザフェス終了直後だったと思います。
クラゲ : ネットでTシャツを販売されたきっかけを教えていただいてもよろしいですか?
ヤマシタ : 当時GIFアニメがマイブームだったんです、有名人などのGIF画像をちょっといじってバカGIFというジャンルで公開するわけですが、ネットでそれをやる人とセッションしたりして、で、大好きなネットで収入になったら素晴らしいなあとか考えていて。で、あとでMUNEがコアチョコを立ち上げて本格的ではなかったんですがネットでも売り出してて。
クラゲ : 実際、ネットでTシャツを販売されてみての感想はいかがでしたか?
ヤマシタ : 嬉しかったですね。販売方法とか法律的な部分や業務は代表のセンガがいろいろと調べて独自に開拓していきました。最初はいろいろと苦労しましたけどねー。全然経験なかったもので
クラゲ : やっぱり、自分のデザインのTシャツが売れていくっていうのは、うれしいものですか?
ヤマシタ : そりゃ嬉しいですよ、自分の子供をほめられる、みたいな感覚と同じようなもんです。子供いないですけれども。自分が認められる、世の中に受け入れられる、というような喜びがあります
クラゲ : 先日の新作から、熱転写プリントのTシャツが発売されてますが、これをみて「表現の幅が更に広がったなぁ」と思ったんですが
ヤマシタ : 非常に広がりますね
クラゲ : 熱転写プリントを始められた理由を教えていただいてもよろしいでしょうか?
ヤマシタ : まあ、コスト的な問題が一番大きいんですが、あとシルクだけだと制約も多いわけで。シルクで作るとなると一発勝負なんです。製版代がありますから。ってこんな内部事情(笑)。実は前からフルカラーをという風に考えていて。でもシルクでそれをやると最初にかなりなコストがかかりますから。一般的に熱転写というとアイロンプリントを想像するお客さんも多いんじゃないかと思ってたんですが、まったくの別物なんで、業務用のものは全然違いますからね。ああ、これでもっと自由に出来るぞ、と。
クラゲ : 最近の熱転写は全く問題ないですもんね。着ていてはがれてくるってことは普通に着ている限りはないので、是非一度見実物をてみていただきたいですよね
ヤマシタ : スカラヴィジョンの弱いところはアイテム数の少なさですからね、これからはドンドン作ります。人気の無かったものはドンドン切り捨てる方向で(笑)
クラゲ : だはは。熱転写の新作の「外人4」なんて、本当に外人が飛び出てきそうな勢いがあって「これぞ、熱転写向けのデザイン」って思っちゃいましたもん
ヤマシタ : シルクのデザインだけじゃ表現しきれないものもありますからねー。でも気をつけなきゃいけないのは調子にのって色を使いすぎないということなんです。傾向として子供服っぽくなってしまいますからねだから色調は抑えてあるつもりです。
クラゲ : 確かに「外人4」や「ゲートイン」は色数抑えてますもんね。この2作品はネタのチョイスといい、躍動感といい特に「外人4」はスカラヴィジョンの真骨頂だと、個人的に思ってます
ヤマシタ : それは新しい発見です。重なご意見ありがとうございます
クラゲ : チャート系もスタンダードで大好きなんですが、ネットの今を切り取ったイメージをTシャツにされているのは、個人的に大好きなんですよ。という、個人的は感想は置いておいて(笑)
ヤマシタ : ありがとうございます。
クラゲ : 今年のTシャツラブサミットも開催が決定したそうですね
ヤマシタ : ええ、来年も結局2回開催の予定です。というのは来年もシーズン中の1回だけにしようという意見もあったんですけど。やっぱ2回という。居酒屋での決意(笑)。今はまだ内部的な拡張の時期なので、今後発展していって、早く次のステージに進みたいとスタッフ一同思っております。
クラゲ : 今年も楽しみにしております!公式サイトは要チェックですね
クラゲ : ということで、もうそろそろ最後の時間なのですが、最後にいくつか質問させてください。気になるTシャツブランドさんを教えていただいてもよろしいでしょうか?
ヤマシタ : えええ!いや、常にいろんなブランドは気になってますよ。まあ特に仲の良いブランドさんはいい意味で気になってます。レッバズさんはよく食うなあ、とか(笑)
クラゲ : だはは
ヤマシタ : 気になるというか、とても刺激になってます。例えば、ワンダーTシャツフェスティバルでは頑張ってるところは結果を残してますし、参加しているブランドは身近に感じるので「今回はすごいなあ」とか「ほう、こういうのを出したのか」とか。
クラゲ : ワンダーTシャツフェスティバルは本当に切磋琢磨なイベントですよね
ヤマシタ : あそこに参加するというのはモチベーションを上げるという意味でも非常にいいイベントだと思います。みんな負けたくないわけで。でもシビアに順位が決まっていく。個性的すぎて客層とズレてしまう、という、いいブランドなのに秋葉原だと不利だったりするところもあったりするわけですが。そのあたりはどうしようも無いですけど、うちみたいなブランドはいい市場調査も兼ねてますね。
ヤマシタ : あと打ち上げ、いや、なんでもないです(笑)
クラゲ : だはは
クラゲ : 最後に今後の目標を教えていただいてもよろしいでしょうか?
ヤマシタ : 来年はとりあえずすべてにおいて今年の倍の結果を残すつもりです。今まではどこか余裕があった、みたいな勘違いで傲慢な部分があったと思いますので、来年からも1年生のつもりでやって、結果を残します。長期的な目標としては、着てくれている人達のためにもスカラヴィジョンの名前をもっと広めるつもりです。それと同時にデザイナーである僕個人のセンスに凝り固まった頑固なデザインも少しづつ出していくことにします。売れる売れないは度外視して。なんにせよここ数年のスカラヴィジョンとは変わります。「変わるつもり」ではなく、変えます。ちゃんと宣言します。これからもスカラヴィジョンを宜しくお願いします。
クラゲ : では、最後にTシャツ部をご覧の方に一言いただいてもよろしいでしょうか?
ヤマシタ : イベント等で見かけましたらお気軽に声かけて下さいねー!
クラゲ : では、最後に告知などがあれば
ヤマシタ : ブランドとしては特に無いんですが、個人的に2006年1月8日に新宿ロフトプラスワンで「オフ喜利」というイベントに出ます。前回優勝したので今回も頑張ります。あと1月28日に高円寺Tショックで「人間道場イベント」をやります。なんの告知だ(笑)
クラゲ : はーい。今日はありがとうございました
ヤマシタ : できればいつかセンガにもインタビューしてやってくださいー。たぶん「これ違うだろ!」みたいなツッコミどころが沢山あるかもしれませんので。
クラゲ : だはは
対談はこれで終わりです。
みんなが思いつきそうだけど形に出来ないイメージを次々に生み出しているスカラヴィジョンさん。「チャート式Tシャツ」という概念はそれを言い当てているなと思いました。また、Tシャツラブサミットの運営スタッフとして、今年も頑張っていただきたいです。
ということで、今回ご協力いただいた「スカラヴィジョン」のサイトはコチラ。このインタビューを読んだ後にTシャツを見てみると、新しい発見があるかもしれませんよ。
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