Tシャツブランドインタビュー第3回目は「ちくわぶ」です。

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第3回目のブランドインタビューは「ちくわぶ」です。代表のいわたさんにお話を伺いました。新聞広告制作もされているいわたさん。そんないわたさんの「クリエイティブ感」が感じ取れるインタビューになっております。では、是非ご覧ください。
[第3回目] クラゲの「Tシャツブランドインタビュー」〜ちくわぶ編〜 (2005/7/1収録)
いわた : どうも、おせわになります
クラゲ : こちらこそお願い致します。では早速いきましょうか。最初にブランドの自己紹介をお願い致します
いわた : ちくわぶの岩田です。簡単に言うと、着ている人が人気者になれるTシャツです。話題になるというか沈黙したときなんかに、ひとつ話題がふえるネタが多いです。でも本当は、たいして方向性を定めていないというのが正解です。あとづけですね。ブランドコンセプトは。でも、ブランドというものは本来そういうものだと思っていて、やりたいようにやっていたら、結果的に同じほうを向いていたから「ブランド力」になっていた、というのが健全なブランドなんだろうなと思います。自分を作った個性なんか個性として魅力がないというか、無理が生じるように、無理にブランドとしての色を出そうとすると、やっぱり見る側の人にばれるんじゃないでしょうか。
クラゲ : Tシャツを作り始めたのっていつ頃からですか?
いわた : Tシャツを作りはじめたのは中3です。はじめは染色マジックでTシャツに直接描いてました。テレビの5分番組で、大助花子の花子さんが自分の娘のパンツに名前代わりに染色マジックで絵を描いていたんです。それを見て、これは面白そうだと。前からTシャツを作りたかったんだと思います。着れるキャンパスですから。
クラゲ : ほー
いわた : 当時学校でテニス部だったんですけど、練習の時とかに着て喜んでました。高校に入ってからは、染色絵の具というものを新たに取り入れまして、さらに手書き道を極めていきます。
クラゲ : スタートは手描き1点ものだったんですね
いわた : そうです。
クラゲ : 最初に染色マジックで書いた絵はどのような絵だったんですか?
いわた : 最初はなんだったかな。前が島の朝で、後が島の夜とかそんな絵だったかな。あとは4コママンガとか。失敗したら取り返しがつかないからショックなんですよね。
クラゲ : 最初からデザインをTシャツにのせるというよりは、Tシャツの特性を考えてのデザインなんですね
いわた : そうかも知れません。世の中のTシャツってつまらないよな、と思っていたんだと思います。
クラゲ : その自作のTシャツを着てみたときの友達の評判はどうでした?
いわた : 「ばかだねー」とかそんな感じだったかな
クラゲ : 手書きでTシャツを作っていたのは何年くらいなんですか?
いわた : 大学卒業までだから8年くらいです。大学に入ってからはプリントゴッコで墨線をいれる方法を思いついたから、けっこう作風にも幅が出てきました。でも今で言う多版刷りはできませんから、ベタ面は手塗りです。あいかわらず。このころは大学のサークルの好きな子にあげたりして楽しんでました。
クラゲ : 大学の頃は販売ってされてなかったんですか?
いわた : 売ってなかったです。けっこうタダで配ってましたね。タダだと喜ぶんですよ、みんな。まだフリマにも出たことなかったですね。
クラゲ : そこで、販売をし出したきっかけってのはあるんですか?
いわた : 販売のきっかけは社会人になってパソコンとプリンターを買って量産できるようになったことです。あと、親戚が無地のTシャツを売ってくれたことも大きいですね
クラゲ : 初めてはフリマですか?
いわた : ええ、フリマです。昔は手作りモノを売ると怒られたんです。家庭の不用品しか売るな、とか言われて。だから、古着と混ぜながらこそこそと売ってました。今ではそんなこともないですけど。
クラゲ : その頃、ご一緒にAnythingの西村さんがフリマに出されていたの覚えてらっしゃいます?
いわた : 覚えてますよ。もちろん。横浜の日本丸のところでよく会いました。当初は1枚1000円で売ってました。
クラゲ : 西村さんにお会いすると「昔はフリマに行くとちくわぶさんもいらっしゃって、当時から売れてましたねー」っておっしゃるんですよ
いわた : そうなんですよ。当時はたぶん僕の方が売れてました。今は西村さん大社長ですけど。西村さんは、たしか詩人の弟さんと一緒にやられていたような気がします。(うろ覚えです)
クラゲ : デザインフェスタもかなり前から出てらしたんですか?
いわた : デザインフェスタはハンバーグ009が出ているのを見て、当時はハンバーグの存在も知らなかったんですが、彼らはものすごいブースからはみ出してやっていたんです。これならなんとかなるかもしれん、と思って出たのが多分2000年くらいだと思います。正確には覚えていませんが。
クラゲ : 最初出てみたときの感触はいかがでしたか?
いわた : フリマに比べて客の金払いがいいなあ、と思いました。けっこう売れましたよ。次も出ようって。
クラゲ : 今はデザインフェスタでのちくわぶさんといえば、グッズが毎回楽しみなんですが、どういう感じでグッズのアイデアを考えてらっしゃるんですか?
いわた : グッズは基本的に採算度外視です。だから、思いつきとか、雑誌見ててこれ作りたいなあ、とか、とにかく思いついて作ってくれるところを調べて、料金的に作れるものだったら何でも作っちゃいます。基本的に深緑か和風のものであれば何でもいいんです。
クラゲ : Tシャツのデザインについてですが、デザインのネタなどはどのように考えてらっしゃるんですか?
いわた : これも思いつきが多くて…。お恥ずかしいですが。コツとしては、思いついたことを、ちょっと寝かせておくと、他の思いつきとくっついて、いいネタになったりします。ねばりが大切です。「こんなもんでいいかなあ」のひとつ先を出せればいいんですね。あと、僕はひとついいネタを思いついたら、それをシリーズ化するのがわりと得意なのかも。いいネタを思いつくというより、いいフォーマットを思いつくことが多いんです。
クラゲ : ほー
いわた : 佐藤雅彦みたいですね。かっこいいな、俺。
クラゲ : 確かにwebサイトではジャンル別になってますもんね
いわた : あ、そのジャンルはフォーマットの話とは違くって、ジャンルはあとで、モチーフが女の子だからロリータに入れておこうかな、とかそれくらいの意識しかないんですが、発想の段階で、たとえば、みんなが知ってるあのマークをモノグラム化するとまったく新しいデザインとして面白い、とか思いついちゃうと、、、これはいろいろ応用が利いて、このやり方で量産ができてしまう、というようなことなんですけど。伝えるの難しいな、おわかりいただけるでしょうか。
クラゲ : ええ。「方法」とか「手段」を考え出すってことですよね?そうなると、あとはその「方法」や「手段」に沿って、いろいろと試してみることができる、と。
いわた : そうです、そうです。そういうことです。
クラゲ : ある表現手法を考え出すと、それが良い表現手法であれば、あとは、構成要素をとりかえていけば、色々な生産物が出来てくる。ってことで、いわたさんはその表現を考え出すのが多いってことですよね?
いわた : 思いつきも、なんでそれが面白いのかを自問して突き詰めていけば、手法が見つかることもありますし、そういう表現を解体するような考え方はしていることが多いと思います。
クラゲ : いわたさんの中で気になるブランドさんとかっていらっしゃいますか?
いわた : うーん…。ちょっと待って下さいね。Tシャツででしょうか?
クラゲ : Tシャツブランドだと嬉しいですが、興味があるのであれば、Tシャツブランドに限らなくても大丈夫ですよ
いわた : アムステルダムで広告クリエイティブなんかをやってるケッセルズクレマー(クライマー)が気になるというか、興味があるんですが、Tシャツ屋ですと、知り合いのブランドはやっぱりみんな気になりますよ。つまんない答えですみません。あ、けど、最近Tシャツ部にバナーを出されている「シキサイ」さんが気になります。工夫があっていいですよね。
クラゲ : ほー
いわた : シキサイさん、これ読んだらTシャツくれないかなあ…。あと、質問の主旨とは違いますが、ライバルというのはいて、これもつまらん話なんですけど、それは去年の僕です。
クラゲ : お、詳しく教えていただけますか?
いわた : とりあえず去年の自分によりいいものを作りたいなあ、と思ってて、でも、毎年その年の自分がベストだと思っているわけだから、その壁はけっこう高くて、実際前の年の作ったものの方が売れる年なんかもあるんですが、1年にひとつでもいいから、去年のよりいいのを作ろうと、思っています。
クラゲ : 新作だと点字ブロックが大人気ですよね。実際に点字の盛り上がっているところが、盛り上がっているTシャツなんですがこちらはどのようにデザインを思いつかれたんですか?
いわた : ぼくは今まで自分のところで機械を入れてプリントしていたんですが、今年からシルクもやろうかと思って、刷ってくれるところにいろいろ聞きに行ったんです。せっかくだから、自分では絶対にできないようなプリントを刷ってもらおうと。で、話の中で発泡とか箔が出てきて、これを使って何かできないかな、というお題があって、いろいろ考えているうちに点字ブロックを思いついてしまったわけです。点字ブロックもさることながら、刀は本当に刷り師泣かせらしくて、もう増産したくない、って言われました。あれはすごい手間と技術が注がれているんです。
クラゲ : そんな裏話が隠されていたとは…。
いわた : でもそんな苦労を感じさせないところがすごいですよね。
クラゲ : 最後に2つよろしいでしょうか?1つ目は、今後の目標を教えていただいてもよろしいでしょうか?
いわた : 目標はですね、ひとつは店舗を作ることです。もうひとつは本を出すことです。本は出したいのが実は2冊あって、ひとつはちくわぶ作品集です。もうひとつは、僕は新聞広告を作る仕事もしてるんですが、それの作品集です。そっちの話はどうでもいいですよね。すみません。
クラゲ : いえいえ
いわた : あと、ちくわぶカフェってのも作りたいです。旅館とか。京都の町家みたいな一戸建てのお店を作るのが理想です。あー、あと、パフィに着てもらうのも目標でした。昔Tシャツを送りつけたのに何の音沙汰もなかったんで、リベンジしたいです。まあ目標はこんな感じですが…
クラゲ : 最後の質問ですがTシャツ部を見てる方に一言いただけますか?
いわた : えーっと、出版関係の方がいらっしゃいましたら、ぜひ、一緒に本を作りましょう!そうでない方は、ちくわぶのTシャツを買ってください。一日も早くお店を出す資金を作るために。あと、最近Tシャツ作る人がやたら多いですが、Tシャツは儲かんないですから、バブルのような夢を抱かず、地道な仕事もキープしときましょう。あと、着る側の人は、Tシャツはその人のレベルが見えてしまうから、つまらんTシャツは着ないでね。以上です。遅くまでありがとうございました。お疲れさまでした。
クラゲ : いえいえ。いろいろお話聞かせていただいてありがとうございます!
対談はこれで終わりです。
いかがでしたか?ものを作るということに真剣に取り組んでいるいわたさんを感じ取ることができたのではないでしょうか?ちくわぶのゆるいTシャツデザインといわたさんとのギャップが面白いですよね。
ということで、今回ご協力いただいた「ちくわぶ」のサイトはコチラ。このインタビューを読んだ後にTシャツを見てみると、新しい発見があるかもしれませんよ。
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