第170回目「Tシャツブランドインタビュー」~ アグリーダックリングファクトリー編

第170回目のTシャツブランドインタビューは「アグリーダックリングファクトリー編」です。

アグリーダックリングファクトリー

 アグリーダックリングファクトリー
 http://www.uglyduckling-f.com/


今回のインタビューは アグリーダックリングファクトリー さん。

ご自身で「自己満色の強いブランドなのかもしれません」とおっしゃるアグリーさん。色々な部分にこだわりをこめているブランドさんですよ。

さて、今回はどういうお話が飛び出すのか、お楽しみに。

第170回目「Tシャツブランドインタビュー」~ アグリーダックリングファクトリー編 (2013/09/12 収録)


クラゲ : 今日はよろしくお願いします。

アグリーダックリングファクトリー(以下:アグリー) : よろしくお願いします。

クラゲ : 自己紹介をお願いします。

アグリー : 「アグリーダックリングファクトリー(Ugly Duckling Factory)」というブランド名で2009年からネット販売を中心に、イベント会場での販売もしております。ただここ2年ぐらいはとある都合が重なり、大好きなイベントの出展を見合わせが続いておりますが……。

A-mark
A-mark

一応音楽にまつわる PUNK ブランドというカテゴリーで立ち上げました。ですが PUNKS の方だけに偏った商品構成にはしていかないつもりです。「PUNK デザインのブランド」というよりは「アナキズムブランド」といった方がご理解頂きやすいのかもしれません。
僕自身、音楽の PUNK ROCK が大好きなのですが、アナキズムを表現するには PUNK が手っ取りばやいかなと思って。そっちの方の意味で PUNK ブランドとしました。モノ作りをしているほとんどの表現者は秘めているであろうアナキズム精神で、個人・個性を大切にしていこうといったスタイルです。

ですので、デザインは逆に至って普通というか、シンプルナイズされたものや可愛いものなど色々です。

アグリーの場合は、PUNKS に限らないインディーズ・アーティストさん(特にミュージシャン)とインディーズクラスターの中で活動していけたら幸せだなと思っています。その活動の中で同調してくれる方々が、ネットなどで僕らのTシャツを欲しいと思って購入してくれたら更に幸せなのです。

そんなこんなで他のブランドさんと比べたら、かなり自己満色の強いブランドなのかもしれません(笑)

SWEET PUNKS
SWEET PUNKS



クラゲ : ブランド名「アグリーダックリングファクトリー」の由来を教えてください。

アグリー : 代表(嫁)が高校生時代に「アグリーダックリング」というブランド名で体育祭などのTシャツを作っていたそうです。和訳すると「醜いアヒルの子」です。醜いアヒルの子は子供たちの中で異種なだけであって決して醜い子ではなく、素晴らしい白鳥に成長するというお話ですよね。僕はそれが気に入り「ファクトリー」を付け足しただけです。

ロゴマークは少しもじって白鳥の子ではなく「ハシビロコウ」という個性的な鳥がモチーフです。

クラゲ : ロゴマークをアヒルではなく「ハシビロコウ」としたのはどうしてでしょうか?

アグリー : 初めはアヒルでした。ただ『みにくいアヒルの子』の原作も、実はアヒルの子ではなく白鳥でしたので、なにか違和感を覚えてました。原作そのままじゃおもしろくないので、アヒルじゃない何かにしようと探していたら「ハシビロコウ」という何ともユニークで衝撃的な容姿の鳥をみつけて、ビビっときたわけです。

ユニークな容姿とは裏腹に、羽を拡げると2メートル位になる雄大さと。時折みせるお辞儀をするポーズ。お辞儀のポーズは友愛の表れだそうで、まさに商売をやるものにとって大切なものも備わっている。うちの目指すものとしてピッタリだと思い、すぐに決まった感じです。



クラゲ : Tシャツを作り始めたきっかけを教えてください。

アグリー : 代表(嫁)の実家がアーティスト一家でして、父親が版画や絵画を中心に芸術活動をしています。それにとどまらず、過去には日本最大の某テーマパークの装飾品やアトラクションの乗り物製作などを手がけていて、家族総出で製作していた事もあったそうです。

そういった活動の一つに、陸前高田市内の観光関係や地域活動団体の方から依頼を受け、シルクスクリーンでTシャツを刷るというのがありまして。それに僕が過剰反応を示して、即色々勉強させて頂きました。母親が OHP フィルムに専用ペンで手書きして、それを父親がメッシュに焼いて印刷というものです。

それを見てデザイン畑の僕は、フィルムにはイラレ(Adobe Illustrator)でデザインして印刷した方が、早いしキレイに出来るのではないか思いまして。そこで適当にデザインしたもので製版してみました。せっかくなので無地Tシャツを買いに走り、一気にオリジナルTシャツが出来上がり。それが最初です。

ロックダマシイSP
ロックダマシイSP



クラゲ : ネットでTシャツを売り始めたきっかけを教えてください。

アグリー : 最初はオリジナルのTシャツを刷るのが面白くて、何枚か刷っては知人におすそ分けで配ってました。すると思いのほか評判が良く、かなり気分が良くなりまして、またそれを味わいたいと(笑)。しかし、配り続けるにも元手がかかるので、ならばネットで販売してみようと思い、ネットショップを立ち上げました。

クラゲ : 最初にTシャツが売れたときの感想を教えてください。

アグリー : ネットショップをオープンする前から一般の方よりも先に、知人友人達からは代金を出しても良いと予約が入ってました。なので、あれよあれよという感じで、最初にTシャツが売れたときの実感はあまりわかなかったです。それでもお金を出して貰えた事はかなり嬉しかったと記憶しています。

一般の方はネットショップ立ち上げからしばらくして夏も終わる頃でした。もちろんガッツポーズです!

イベントでは初めて出店したTシャツラブサミットの初日オープンしてまもなく、大柄の男性がまちまちのサイズを一気に4~5枚買ってくれました。何でもご家族の分も購入してくださったらしいのです。初めて面と向かってのお客様でしたので、鮮明に覚えています。

もしかしたら、この記事も見てくれているかもしれませんので、改めましてこちらでお礼を。あの時はありがとうございましたー!お客様は僕らの中ではいつまでも特別です。

FREAKS
FREAKS

クラゲ : ネットでTシャツを販売してみていかがですか?

アグリー : イベントではソコソコは売れてますが、ネットでは当初想定していたより売れるものではないですね。でも上げる方法はいくらでもあるのでしょうし、実際売れてるブランドさんもあるのでしょう。

しかし仮に相当数売れたとして、商売を成り立たせようと考えたら相当ストイックにならないとダメな気がしてます。そうなると僕らがやりたい事とかけ離れていってしまう気がしてしまいまして。

今は開き直って量販店並とはいきませんが、ほとんど赤字プライスで販売しちゃってます(笑)。その甲斐あってネットでもボチボチ売れるようにはなりました。無論、利益はありませんが……。

それよりも僕らが良いと思い作ったモノを誰かが着てくれる、それだけでいい気がします。それを少しでも長く続けられるように時折、購入して頂けると助かります。気にいるモノが出るまでみなさん根気良くチェックしてくださいねー(笑)。

Group5
Group5



クラゲ : Tシャツのアイデアはどのように考えていらっしゃいますか?

アグリー : 今のところサラリーマンが本業でして、デスクワークが中心です。なので仕事するフリしてデスクでラフを描きまくってます。ほとんどボツにしちゃいますが……。でも会社でやると、ナゼかはかどるんですよね(笑)

クラゲ : 自分のブランドのTシャツの中で特にお気に入りのものを教えてください。

アグリー : 新作の「Rot’n T」です。薄手で伸縮がありすごく柔らかい米国製ボディなのですが着心地最高ですよ。英国社製のボディ使ったりしているものもオススメです。

クラゲ : 他のブランドに「ここは自慢できる」というところは?

アグリー : ハッキリ言って自慢出来るようなものはないと思います。だってイベントなどで他ブランドさんを見ていると素晴らしすぎて、見て見ぬフリをしてしまうぐらいです(泣)

強いてあげれば、Tシャツの活動をしている事で異業種のインディーズアーティストさん達との繋がりが、たくさんできて毎日が充実している事です。今の僕が出来る事は異業種の方達との関わりを通して、インディーズTシャツ界の PR を少なからずともして行く事かも!?

ROT'N
ROT’N

クラゲ : アグリーさんのサイトには「アーティスト特集」がございますね。

アグリー : 話すとちょっと長くなるんですが、僕は若い頃に音楽をやっていて、高校卒業後の就職先は亡き父親が通いつめていたキャバレーに出演していたビッグバンドにギタリストとして内定してました。ですが、その打ち合わせでバンマスと話していくうち、自分の行くべき道ではないと思うところがあり、就職を躊躇なく蹴りました。そこからあわてて畑違いでしかも適当なアパレルに就職を決めてしまいました。

就職後、音楽を払拭するかごとく一切楽器には触れなくなりました。でも山あり谷あり、気がついたら Live House に入り浸るように。インディーズで音楽活動を生き生きとやっているアーティストたちを見て「音楽は辞める理由なんかない……」と実感したんです。
Tシャツ業界も同じですが、インディーズの世界で大切なのは「つながり」、問題は「マネー」なんですよね。

その理由で辞める理由にして欲しくない。また、僕と同じ後悔をして欲しくないと思って、僕らの出来る範囲で彼ら応援をしようと考えました。「アーティスト特集」は立ち上げた当初からのブランドコンセプトの一環でもあります。

本当に素晴らしいアーティストはインディーズにあるんです。ですから、僕が生で実感して良いと思ったものをジャンル関係なく紹介しています。

アーティスト特集
アーティスト特集

現在はアグリーのモデルを買って出てくれたアーティストの方々のページしか出来ていないのですが、今後の予定はギッシリです。僕は追い込まれないとやらないタイプなので、長い目で注目してやってください。そしてそのアーティストの Live にも足を運んでみてください。

自分自身、今のアグリーダックリングファクトリーは投げ出したくありませんし、新たなプロジェクトの予定もあります。いつか余裕ができたら趣味的で構わないので、音楽もやっていくのが今後のささやかな夢ですね。



クラゲ : 自分にとってTシャツとは?

アグリー : 僕のライフスタイルの中では無くてはならないものですね。LIVE HOUSE やフェスに行けば、汗ぐっしょりになって替えのTシャツも要りますし、家でくつろぐ時もTシャツが一番です。

作り手の立場なら手段です。デザイナーであったりアーティストであったりする大義名分。それと何者にも抑圧される事なく完結出来る唯一のものです。

BECK
BECK

クラゲ : 気になるTシャツブランドを教えてください。

アグリー : 「VOLCOM」というサーフ・スケーターブランドです。サーファー・スケーター・ボーダーなどをサポートするスタイルのブランドで、モノを売るのが目的じゃないのですよ。モノを売るのは、サポートするという目的の為の手段。そんなスタンスがプロスケーターなどから支持されている理由です。

この姿勢が好きで、アグリーのブランドスタンスにかなり影響されています。うちはまだまだサポートらしいサポートには、ほど遠いですが……。

イベントで出会ったブランドさんの中では、「廣島ひよこ堂」さんですね。知り合ったブランドさんは少ないのですが、才能ある方と知り合ってしまったなと。ジャンルはアグリーとはまったく違いますがキャラデザインには脱帽します。

クラゲ : 今後の目標を教えてください。

アグリー : 現段階ではまだ不確定なのでハッキリとは言えないですが、アグリー以外の展開を考えています。アグリーはそのままのペースだと思いますが、脱サラしてまったく畑違いの事業を起こすかもしれません。それが実現すればアグリーも色々な場面で人目に触れる機会作りにもなりそうです。もしも決定したら FacebookTwitterブログでもアナウンスしますね。

STOP THE NUKES
STOP THE NUKES

クラゲ : 東京Tシャツ部をご覧の皆様に一言いただけますで しょうか

アグリー : 東京Tシャツ部の皆さま、改めましてアグリーダックリング ファクトリーの Rino と申します。東京Tシャツ部さんのお客様もだいぶご利用くださっていらっしゃるようで、本当に感謝しております。今後とも可愛がってくださいますようよろしくお願い申し上げます。

そしてクラゲさん僕らのような若輩者のブランドにお声をかけて頂き大変光栄でございます。本当にありがとうございました。

クラゲ : 今日はありがとうございました。

アグリー : ありがとうございました。



インタビューはここまでです。

アーティスト一家の奥様ご家族に指導を受けてスタートしたTシャツ制作。そして、「僕らが良いと思い作ったモノを誰かが着てくれる」ことに喜びを感じるアグリーさん。

そこから、自身のアイテムを通して行う「アーティスト特集」という支援活動も並行して行っています。

アグリーさんが気になるブランド「VOLCOM」と同じスタンスでアーティスト支援が出来るように、そしてアグリー以外の展開も応援しておりますね。

そんなアグリーダックリングファクトリーのサイトはこちら。

 ・ アグリーダックリングファクトリー
 ・ デザイナー Rino’sブログ
 ・ アグリーダックリングファクトリー twitter(@u_d_f)
 ・ アグリーダックリングファクトリー facebook

このインタビューを読んだ後に見てみると、新しい発見があるかもしれませんよ。

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