Tシャツブランドがあえて「売れないTシャツ」を作る意味

■売れないTシャツを作る意味

ここ数年のTシャツを巡る環境で変化しつつある点がある気がしておりまして。

それは、年々「インディーズTシャツ」というだけでは売りにならなくなってきているという変化です。

10年前は個人がTシャツを作る、いわゆる「インディーズTシャツブランド」というだけで売り(特徴)となりました。その頃は個人でTシャツを作る人があまりいなかったので、それだけで真新しくて珍しかったです。

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いつからか、インディーズTシャツというだけでは差別化要素になりづらい時代となってます。

同時に、ユニクロがインディーズのジャンルと思われるところにも進出するようになりました。以前はインディーズが扱っているようなジャンルにユニクロは手を出さなかったのですが、今は違います。

■インディーズTシャツが生き残る道

インディーズTシャツでは差別化となりづらい、ユニクロが自分たちのジャンルに進出してきた。そうしたときに、インディーズTシャツブランドはどうやって生き残ればいいのでしょうか?

その答えのひとつとして「マニアが作るマニア向けTシャツ」というブランドの形があります。

数年前からこういう形のブランドを多く目にするようになってきました。

■マニア向けブランド運営の三か条

この方法でブランド運営するときに大事なことが3つあります。

 (1) 「やってる本人がマニアである」ということ

 (2) 「マニアに認められる」必要性

 (3) そのジャンルのことは「全部網羅する」

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まず (1) について。

そのジャンルのことを「分かっている人」が作るTシャツにこそ、価値が生まれます。ジャンルの表面だけをなぞったようなTシャツは、ある程度は売れても、大手アパレルが参入した瞬間に市場を奪われてしまいます。というのも、定番ネタのデザインはさほどマニアな知識がなくても作れるからです。

では、そうじゃないTシャツを作るためにはどうしたらよいのでしょうか?

それは、しっかりとしたマニアな知識を持つ人間が、ネタをきちんと解釈し、その知識を昇華した上でデザインすることです。なので、作っている本人がマニアである必要があります。

■「売れないTシャツ」を作る重要性

次に (2) について。

マニアなジャンルはマニアに認められないと存在意義がありません。

認められるためには、大手が決して手を出せないような、コアなマニア向けのモチーフでTシャツを作るのです。少数のコアマニア向けにTシャツを作るのです。

「こんなマニアなTシャツはどこでも売ってないだろうなあ」と思う人にストライクなTシャツを提供できたら、その人は瞬間にブランドのファンになるでしょう。

マニアなTシャツが欲しいけど自分じゃ作れないという人に向け、制作の労力を代行をする。そして、「え!こんなマニアなものがTシャツに!」という驚きを提供することで、ブランドの存在意義が生まれます。

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売り上げで見れば、ライトユーザ向けのモチーフの方が売れるでしょう。でも、大手には出来ない「沢山売れないTシャツを積極的に作ること」で、インディーズブランドは存在意義を生み出すのです。

超マニアックなTシャツをリリースするとコアなマニアの間で「こんなにマニアックなところまで網羅しているとは、すごい!」という、ブランドの認知が広がることでしょう。

そして、あなたのブランドがコアなマニアに認められた時、もし大手が同じジャンルにやってきても、あなたのブランドは心配することはありません。既にマニアから「このジャンルといえば、あのブランド」と思われているからです。

■出来ることは全部やる

最後の (3) について。

ニッチなマニアジャンルの頂点を目指して、そのジャンルで「出来ることは全部やる」くらいの勢いで攻めて行きましょう。もし、ライバルが現れても、あなたが先行して全部やりつくしていたら、ライバルは諦めるでしょう。

中途半端なペースでやっていると、後から来たライバルに全部やりつくされ、一気に追い抜かれることもあるのでご注意を。

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■結論。ブランド力を高める秘訣はこれ

売れないTシャツを作ることはブランド力を高めるという意味がありました。多くの枚数が売れなかったとしても、コアなマニアに届いたのであれば、そのTシャツを作ったのは成功です。

なので、積極的にそして戦略的に「売れないTシャツ」を作ることは大事なのです。

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