第148回目「Tシャツブランドインタビュー」~ ルンペン編

第148回目のTシャツブランドインタビューは「ルンペン編」です。

ルンペンのサイトはこちらです

 ルンペン
 http://www.lumpen.jp


今回のインタビューは ルンペン さんです。

不思議な名前のルンペンさんですが、昔、原宿でオリジナルTシャツを販売していたそうで。10年のブランクを経てネット通販で復活した理由はなんでしょうか?

さて、今回はどういうお話が飛び出すでしょうか?お楽しみに。

第148回目「Tシャツブランドインタビュー」~ ルンペン編 (2012/11/3 収録)

クラゲ : 今日はよろしくお願いします。

ルンペン : よろしくお願いします。

クラゲ : 最初にブランドの自己紹介をお願いいたします。

ルンペン : はい、テント印のTシャツブランド「ルンペン」と申します。本当はやればもうちょっとはできるのに、無理して売れないTシャツを作っている、35歳の男の子です!今日はよろしくお願いします!

スリラー
スリラー

クラゲ : 「ルンペン」というブランド名の由来を教えてください。

ルンペン : ルンペンとは、ドイツ語で「ボロ切れ」という意味です。私の作るTシャツなんて、ボロ切れみたいなもんです。っていうことでお願いします。そして、最後に「他意はありません」と付け加えておけば、なお安心かと。

クラゲ : Tシャツを作り始めたきっかけを教えてください。

ルンペン : え~、あれはかれこれ 20 年近く前、ルンペンの全然前の話なんですが、死体とか殺人鬼とかフリークス(奇形)とかに並々ならぬ興味がありまして、そんな頃に『GON!』という雑誌の外国の殺人鬼Tシャツの特集を見て、欲しい。着たい。を素通りして「オレならこうする!」と思ったのがきっかけです。

クラゲ : 『GON!』懐かしいですね。当時僕も読んでました。異質すぎる雑誌でしたよね。そこから、ネットでTシャツを売り始めたきっかけは?

ルンペン : これもルンペン以前で、14,5 年ぐらい前でしょうか。「イエロウ・ V.I.P. 共同事務所」というTシャツ屋をやってまして、ネット販売なんて胡散臭いもんで買えるかよって時代です。おまけに、死体とか奇形とか、はたまた、大洋の中山投手とかのTシャツが主力商品だったのでなおさらだったんじゃないでしょうか。

最初は実店舗だったんですけど、三ヶ月で閉店に追い込まれまして、逃げるように店のあった原宿から足立区の実家へ帰って、通販専門店として雑誌の広告だけを頼りにやっていた頃、我が家にインターネットが導入されたのをきっかけに販売サイトを立ち上げました。ただ、やっぱり胡散臭すぎてネットではほとんど売れた記憶がありませんね。雑誌広告の方では意外と売れてたんですよ実は。

でも結局、在庫の段ボールがいやになってスパッと辞めて、10 年ぐらいのブランクの後、ルンペンを始めて3年半ほどです。いえ、ルンペンというTシャツ屋を始めて、という意味です。

EYE-CO
EYE-CO

クラゲ : 最初にTシャツが売れたときはの感想を教えてください。

ルンペン : あまり昔話ばかりでもなんなんで、ルンペンでの話にしますと、開業の半年ほど前から、「どうせ売れないTシャツ屋開業準備ブログ」ってのを始めていて、それを東京Tシャツ部さんに取り上げて頂いていたおかげか、開業当日だか翌日だか、けっこうすぐに普通に知らないお客さんから注文来ました。でも正直、インターネットだと感動とかはそれほどなかったです。

結局また昔話ですけど、最初の実店舗の時はもう、お客さんが入ってきた時点でプルプルして、見てる間も、死体のTシャツ売ってるヤツがプルプルしてちゃマズいと思ってプルプルしないようにするのに必死で、心の中で「ご来店ありがとう!いいから早く帰れバカ!」と思いました。

結局買ってくれて、お会計なんかもう完全にプルプルしながら真っ青でしたね。

青木ヶ原
青木ヶ原

クラゲ : ネットでTシャツを販売してみて、いかがですか?

ルンペン : とりあえず売れないので、在庫がたまって家も狭くて、妻子持ちですし、心身ともに肩身が狭くて大変です。

うれしかったことというと、う~ん、まだないです。いや、大川興業の大川総裁に「明太子様Tシャツ」を誉めてもらったり、雑誌『TV Bros.』の箭内道彦さんのコラム内に売れないグチのお便りが載ったり、ケーブルテレビ足立で紹介してもらったりとか、本当はいろいろあるんですけど、なんというか、その後が次に繋がってないなぁっていう方が大きくて喜べない感じですねぇ。自分のせいなんですけど。結局、継続して売れるようにならないと、うれしいって気持ちにはならないかもしれません。

それから、面白エピソードですか。「足立区Tシャツ」ってのがありまして、それをですね、当時大川興業所属の「足立区立 OKO (あだちくりつおこ)」さんという、足立区ネタがメインの芸人さんに送ったところ「あらびき団の収録で着ました!」というありがたい連絡を頂きまして、毎週楽しみにしていたある日の放送で、唐突に最終回の告知!!

結局その後、足立区立 OKO さんの登場はなく、お蔵入りになったようです…。

足立区
足立区

ついでに足立区Tシャツでもうひとつ。足立区の「足」の字を間違えて発注して、出来上がって、なんとなくTシャツを眺めていた妻に指摘されるまでその間違いに気付かなかったという大珍事もありましたね。ちなみに、OKO さんに送ったのももちろん間違いバージョンだったんですが、OKO さんも知らせるまで気付いてませんでした!

えっと、あとは…、面白くないエピソードでもいいですか?去年の夏に自称芸術家の友人が急死しまして、追悼Tシャツを勝手に発売しようとして、身内の方に止められて発売中止になりました。どうです?面白くないでしょう?!いや、でもこれですね、ルンペンの真骨頂ともいえる素晴らしい出来栄えだったので、世に出せなかったのは本当に残念でなりません。



クラゲ : そうそう『TVBros』といえば、ルンペンさんが別名の阿木照男(あき・てるお)で書いているコラムが掲載されていてビックリしたんですよ。Tシャツ以外にこのような活動もされてるんですね。

ルンペン : 「連載スター誕生」というコーナーで、一般応募ありのコラムの募集をしてて、なんとなく書いてみたら、なんとなくまとまったので送ってみたんです。そしたら採用のメールがきて、おぉ!って。「老人と私」ってタイトルでして、九割方ノンフィクションの、二人の老人と私を中心とした会社の中の風景みたいなものです。えーと、私、普通の会社員なので。それでぜひ連載を勝ち取って、そこら辺の冴えない会社員のくせに『TV Bros.』に連載を持ってるという、面白経歴が欲しかったんですが、二話立て続けに採用された後は、なぜか一切採用されなくなりました。なんとなく、嫌われたような気がしています。反響とかは別に何もありませんねぇ。でもちょっと真面目な話をすると、これがあってから、私の中でTシャツだけでなく文章ってものも表現活動として意識するようになりましたね。なのでぜひ「ここのスペース埋めるのに、適当なコラムとか欲しいんだよなあ」っていう編集者の皆さん、阿木照男をぜひ!人の悪口ならいくらでも書けます!

クラゲ : Tシャツのアイデアはどのように考えていらっしゃいますか?

ルンペン : 食器を洗いながら、ipod でショーケンを聴いて絶唱していると、アイデアが湧いてきます。

クラゲ : 自分のブランドのTシャツの中で特にお気に入りのものはどちらですか?

ルンペン : 「FM東京」と「明太子様シリーズ」でしょうか。

FM東京は、まぁタイマーズだからでしょうけど唯一ちょこちょこ注文が来るので。品切れ中にも再発のリクエストを頂いたりして。で、最近再発してみたところ、まだ3枚しか売れてません!リクエストの数と売れてる枚数が合わないので、リクエストをくれた方はちゃんと買って下さい!!

FM東京
FM東京

明太子様は、まぁ、こういうのをちゃんとジョークとして受け入れられる世の中であってほしいと。引いてる方がよっぽどおかしいじゃねえかと。

明太子様
明太子様

クラゲ : ルンペンさんのサイトに「募集のページ」という表現活動をされている方のコラボ募集ページがあるのですが、こちらはどのようなものなのですか?

ルンペン : きっぱり言わせて頂くと、いまだに誰からもコンタクトはありません。表向きと言っちゃあれですけど、意図としてはまぁ、そのページにある通り、なんかしら面白そうなことをやってる人たちへのお誘いみたいな感じで、もちろんそれはそうなんですが、本当のところは単なる私のわがままでして、モチーフが欲しいんです!要するに、例えば有名人の○○のTシャツを作るって時の「○○」のとこが欲しいわけです。ただ、有名人だと何かと問題あるし、もしやるなら勝手にやればいい話ですし。

だから、別に有名じゃなくても、こんなことをやってるこんな人のTシャツってものが作りたいなと。さらに言うと、何かやってる当人ってのはもちろんですけど、本当は別にそんなくくりはいらなくて、極端な話、うちのおじいちゃんのTシャツ作りたいんですけど、とかでも全然いい、っていうかそれいいですね。そうしましょう!誰か、いいジジイのTシャツ作らせて下さい!(参考「ルンペンからTシャツをリリースしたい方へ」)

えっと、なんだかグチャグチャになりましたけど、白状すると、Tシャツにする対象を自分発でなく、外から欲しいというのがあっさりとした本音です。コラボの第一弾として、東京みるくベイビーズという、変態風正統派ポップパンクバンドのTシャツを只今製作中です。



クラゲ : 他のブランドに「ここは自慢できる」というところを教えてください。

ルンペン : ないです。インターネットでTシャツ屋を始めることなんか今は誰でもできるワケで、やっぱりそれで食えるかどうかってところが一番分かりやすい線引きだと思うんですよ。せめてお小遣い程度でも利益が出るとか。まずそれができていない時点で、自慢もクソもないです。

和式
和式

クラゲ : ルンペンさんにとってTシャツとは?

ルンペン : え~、ではまだまだ長々と語りましょう。

Tシャツを創るということについて言えば、“最後の砦”って感じです。これをやめると、単なる最高のパパになってしまうので。

いや、私ですね、けっこう批評したがりなんです。お笑いとか、そういう表現活動的なこと全般に対しては特に。で、何もしないで偉そうなこと抜かすよりは、自分でも何かやりながら偉そうなことを抜かしたいなと。

ただ、成功者になったあかつきには、何もせずに偉そうなことだけを抜かして生きていきたいと思っています。

なんか話が逸れましたね。あとは、普通の日常生活の中でのTシャツということだと、今はもう別にって感じです。だんだんオッサンになってきて、オッサンがちょっとひねったTシャツとか着てんのも痛々しいので。今はまだ粘ってますけど。

クラゲ : ルンペンさんが気になるTシャツブランドを教えてください。

ルンペン : クラゲさん、しののめニュータイプってご存知ですか?私がネットでTシャツ屋をやり始めた同じ頃にあったTシャツ販売っぽいサイトで、実際売ってたかどうか微妙な感じだったんですけど、今はサイトの残骸が散らばってるだけみたいなので、ああいう、素敵なことをやってた人たちはどうしてるのかな~と。ただ気になってるだけなんですけど。

クラゲ : 「しののめニュータイプ」懐かしいですね。懐かしすぎです。あの頃いろんな人が色んなことをやっていたのに、今検索しても残骸しか見当たらないんですよね。記録がどこにも残っていなかったりして残念です。

NO
NO

クラゲ : 今後の目標を教えてください。

ルンペン : やめないことです。

クラゲ : 東京Tシャツ部をご覧の皆様に一言いただけますでしょうか。

ルンペン : 一人 10 枚買えーッ!!買ったら燃やせーッ!!古着屋には売るなーッ!!こんなもん売れないとか言うなー!!(C)漫☆画太郎

えーっと、このインタビュー内の諸々の詳細は、ルンペンブログおよび、開業準備ブログに書いてあったりなかったりしますので、ぜひぜひ覗いてみて下さい!そして、お情けで一向に構いませんので、ついでにTシャツも買って下さい!

クラゲ : 今日はありがとうございました。

ルンペン : ありがとうございました。




インタビューはここまでです。

色々と濃いお話が伺えました。原宿に店舗を構えていた時代、雑誌広告でTシャツ販売をしていた時代、そして現在のネット通販の時代。

そして「しののめニュータイプ」のお話を伺えるとは思ってもみませんでした。懐かしいですね!このブランドさんご存知な方は相当なTシャツマニアですよ。

今回ご協力いただいた「ルンペン」の公式サイトはコチラ。

 ルンペン
 http://www.lumpen.jp

このインタビューを読んだ後にTシャツを見てみると、新しい発見があるかもしれませんよ。

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