第73回目「Tシャツブランドインタビュー」~ボリショイ雑貨編

第73回目のTシャツブランドインタビューは「ボリショイ雑貨編」です。

ボリショイ雑貨のサイトはこちらです

 ボリショイ雑貨
 http://www.bolshoizakka.com/


今回のインタビューは ボリショイ雑貨 さんです。

「ソビエト・ロシア」がテーマという異色ブランド。他には絶対に売ってないだろうモチーフのTシャツをリリースするボリショイ雑貨さんからはどのようなお話が伺えますでしょうか?お楽しみに。

第73回目「Tシャツブランドインタビュー」~ボリショイ雑貨編 (2010/9/7収録)

クラゲ : 今日はよろしくお願いします。

ボリショイ雑貨 : よろしくお願いします。

クラゲ : まず最初にブランドの自己紹介をお願いいたします。

ボリショイ雑貨 : 「ボリショイ雑貨」と申します。ソビエト時代も含めたロシアの文学や、映画・クラシックバレエなどの文化をモチーフにしてロシア語表記のTシャツを作っています。

チェーホフやドストエフスキーの作品のタイトルや文章、戦艦ポチョムキンなどの映画、チャイコフスキーのバレエをモチーフにしたものが多いですね。

戦艦ポチョムキン「いったい誰を撃つ気だ?」Tシャツ
戦艦ポチョムキン「いったい誰を撃つ気だ?」

クラゲ : 「ボリショイ雑貨」というブランド名の由来を教えてください。

ボリショイ雑貨 : 『ボリショイ』はロシア語で『大きい』という意味があるんです。Tシャツに限定せず、将来的には小物などの雑貨も作って行きたいと思いと、「大きく育つぞ!」と『ボリショイ雑貨』になりました。あと、ボリショイバレエやボリショイサーカスで、『ボリショイ』という言葉が日本人にも比較的知られているというのもあります。

クラゲ : Tシャツを作り始めたきっかけを教えてください。

ボリショイ雑貨 : 店長の私が、ずっとお客さんのとても少ない(笑) band をやっていまして。あるライブの時にどうしても大好きなソビエトの「CCCP」のTシャツを着たかったのですが、輸入物は黄色に赤のロゴか赤に黄色のロゴばかりで恥ずかしくて着れず。そこでブラックTシャツでの1枚を自分限定に作ったのが最初にTシャツを作ったきっかけです。

赤の文字とロゴのCCCP Tシャツ
赤の文字とロゴのCCCP

その1枚が「あのTシャツかっこよかったよね」と言われ、その気になってもっとTシャツを作るようになったのが現在のボリショイ雑貨です。

クラゲ : ボリショイ雑貨さんが「ソビエト・ロシア」に興味を持ったきっかけを教えてください。

ボリショイ雑貨 : 中学・高校の頃からロシアというか、政治的なことは別にして、ソビエト連邦の頃の情報の少なさ=怪しさに興味がありました。不気味な感じを受けたんですね、たぶん。いろいろなものを見ていくうちに、ロシアの芸術や文化に興味を持つようになりました。

とはいえ、ドストエフスキーの『罪と罰』は中学の時に読むのを諦め、二十歳になってやっと読めた感じですが。ロシアやソビエトの気候・風土、長く続いた独自の体制が、文学や映画に表れている気がして益々はまっていったという感じです。

クラゲ : ネットでTシャツを売り始めたのはいつ頃ですか?

ボリショイ雑貨 : 最初は友人達にそのCCCPのTシャツを20枚位売って、次にチェーホフのセリフのTシャツを作ったのですが、誰も買ってくれなくて…。

チェーホフ「三人姉妹」モチーフ 秘密の合言葉Tシャツ
チェーホフ「三人姉妹」モチーフ 秘密の合言葉

そこで、ネットの世界ならロシアのニッチな世界のTシャツでも売れるのではないか?と安易に思い、2007年夏の終わりにネット通販をはじめました。

クラゲ : そこから初めてネットでTシャツが売れたときはいつでしたか?

ボリショイ雑貨 : 通販で初めて売れたのは、サイトが出来てから1ヶ月後くらいでしょうか。商品数も少なく見栄えも酷いサイトでしたが「チェーホフのTシャツが売っているなんて信じられなくて、毎日見に来てやっぱり本当だと確信して注文しました」とメッセージがありました。

10点しかなかったのですが、5点のご注文を頂いて、嬉しくてたまらないけど発送作業するのにドキドキしていたのを覚えています。

クラゲ : おー、そのようなメッセージがいただけるとはうれしい初注文でしたね!



クラゲ : ネットでTシャツを販売されてみていかがですか?

ボリショイ雑貨 : 私のTシャツは「ロシア語」というニッチな世界なのですが、それでもロシア文学に精通されている方などもいらっしゃるんですね。

ですから「教科書にはこう書いてあるけど、日常ではそんな言葉使わない」という表現にならないように気をつけています。英語のTシャツでも「なにこの英語?」というTシャツがあったりしますよね。

具体的には商品のデザイン前に、翻訳家でロシア語の教授をされている方に文章の校正をお願いまして、その方が疑問に思ったときには、更にネイティブの方々が集まるところに持って行き確認をしています。

そこまでしてもデザイン段階で「й」という文字のマークが外れてしまったのを気がつかずに作ってしまい、全部お蔵入りというのも過去にはありました。

嬉しかったことは、暖かいメッセージを頂いたりする日常が一番嬉しかったりしますが、レアなケースでは、サマーソニックでウチのTシャツを着ている方とすれ違った時。声をかけようかと思ったのですが、勇気が無かったですね。

クラゲ : 自分の作ったTシャツを着ている人とすれ違ったのはものすごくうれしいことですね。



クラゲ : ロシア語というあまり他に見ないテーマのTシャツなのですが、アイデアはどのように考えてらっしゃるんですか?

ボリショイ雑貨 : 1年半はチェーホフドストエフスキーの本を片っ端から読み直し印象に残るセリフをロシア語の本から抜き出していました。

もっと多くの作家の作品もあってもいいかなと、プーシキンやゴーゴリ、トルストイなども読んだのですが、ここまで行くとどんどん深くなって抜けられなくなるぞと…。ドストエフスキーは新訳が売れましたし、チェーホフは劇団関係の方なら基本だけどそれ以上深く入るのは、もうちょっと先かなと。

先というのは『ブランドとしての余力がたっぷりついてから』ですね。ですから最近はもう少し軽く、著作権が切れた映画を見たり、ロシアの漫画を取り寄せて読んだりして、雰囲気を伝えられるようアイデアを絞っています。

ネット限定チェーホフの肖像Tシャツ
ネット限定チェーホフの肖像

クラゲ : 自分のブランドのTシャツの中で特にお気に入りのTシャツはどちらですか?

ボリショイ雑貨 : 1点だけ選ぶとなると難しいですが、自分用に作っていたこともある「CCCP」のTシャツでしょうか。自分用に作っていた時はもっと小さなロゴだったんですが、言ってみればこれが原点かなと。これ作っていなかったら今のボリショイ雑貨は無かったわけですし。

赤の文字とロゴのCCCP Tシャツ
赤の文字とロゴのCCCP

もう1点挙げてもいいなら「生きてゆきましょう」というセリフのTシャツも。このTシャツは、お届けした後にメールで感想を頂く率が高いのです。

ワーニャ伯父さんモチーフ 生きてゆきましょうTシャツ
ワーニャ伯父さんモチーフ 生きてゆきましょう

チェーホフの戯曲の中で印象的だけど、一般的には名セリフとは言われなかった。でも「大学時代劇団でこのセリフを言いたくで頑張った日々を思い出します」「今、某劇団の研究生で、なんとか先に進めそうです。Tシャツのおかげ」というのから、「不景気で大変だけど、これ週3日着て頑張ります」という感想まで頂いて、こちらが励まされるTシャツです。

クラゲ : 自分のブランドで「ここは自慢できる」というところを教えてください。

ボリショイ雑貨 : 輸入のロシア語Tシャツはたくさんありますが、日本で作っているのはウチだけでしょう(笑)

マトリョーシカとロシア語の挨拶ユニセックスTシャツ
マトリョーシカとロシア語の挨拶ユニセックス

クラゲ : ボリショイ雑貨さんにとってTシャツとは?

ボリショイ雑貨 : 自分自身にとっては「生活」ですね、もう。スーパーでも電車でもちょっと変わったTシャツ着ている人を見かけるとじっと見てしまいます。バックのデザインがいいと、電車の中でジリジリと前に回って見たり、女性だと胸元見つめちゃうんでまずいんですが…。

もうちょっと真面目なことも言っておくと、ウチの会社の近くに大学があるのですが、春から秋にかけて学生達が様々なTシャツを着て歩いています。中には特価品ぽいのを着ている人もいるのですがそれはそれでいいと思います、私も持ってますし。

それぞれが個性的なTシャツを着ているのを見ると、きっと今日はちょっと幸せなんだろうなと。もっと大きく言っちゃえば、その幸せは平和があってこそ。平和と幸せの象徴がTシャツ文化なのかなと思います。

クラゲ : ボリショイ雑貨さんが気になるTシャツブランドを教えてください。

ボリショイ雑貨 : ミックデザインファクトリーさんです。初めて通販で買ったTシャツがこのブランドさんなのです。ニヤリとするセンスも素晴らしいですし、サイトのキャプション読んでいるだけでも楽しい。仕事で疲れたときにはよく見に行きます。



クラゲ : 今後の目標を教えてください

ボリショイ雑貨 : ちょうど3年経過したのですが、今まではロシア語Tシャツというだけで初期は珍しさで売れていた部分もあると思います。今後は心暖まるメッセージのロシア語を紹介していきたいのと現代の POP な部分のロシアも表現していきたいですね。

あとは、2014年のソチオリンピックまでに、大手もユニ●ロも参入できないくらい、「ロシア語Tシャツならボリショイ雑貨」と認知されたいですね。

クラゲ : 東京Tシャツ部をご覧の皆様に一言いただけますでしょうか。

ボリショイ雑貨 : え~、私もよくココに先輩ショップさんのインタビューを読んで勉強していますが、同じようにここにこられた方、参考にならなくて申し訳ありません…。

クラゲ : 今日はありがとうございました。

ボリショイ雑貨 : ありがとうございました。



インタビューはこれで終わりです。

最初にTシャツが売れたときのメッセージで「チェーホフのTシャツが売っているなんて信じられなくて、毎日見に来てやっぱり本当だと確信して注文しました」というのは、最高のうれしい声かもしれませんね。

その裏では「ロシア語」の校正作業もコツコツされていて、ロシア語の分かる人にも満足のTシャツブランドですね。

ちなみに「ボリショイ雑貨」さん。「ボリ【ジ】ョイ雑貨」は間違いです。「ボリ【シ】ョイ雑貨」と濁らないのが正しいブランド名だったりします。

ということで、今回ご協力いただいた「ボリショイ雑貨」のサイトはコチラ。

 ボリショイ雑貨
 http://www.bolshoizakka.com/

このインタビューを読んだ後にTシャツを見てみると、新しい発見があるかもしれませんよ。

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