第66回目「Tシャツブランドインタビュー」~TEE PARTY編

第66回目のTシャツブランドインタビューは「TEE PARTY編」です。

TEE PARTYのサイトはこちらです

 TEE PARTY
 http://teeparty.jp/


今回のインタビューは TEE PARTY さんです。

伊藤ガビンさんと古屋蔵人さんの企画によるこちらのサイト。色々なデザイナー・アーティストによるTシャツが毎日更新、その上 3,500 円ポッキリと登場直後から話題になっているTシャツサイトです。

今回は古屋蔵人さんにお話を伺いました。どのようなお話が伺えるか?お楽しみに。

第66回目「Tシャツブランドインタビュー」~TEE PARTY編 (2010/6/14収録)

――突如現れた?「TEE PARTY」がオープンするまで

クラゲ : 今日はよろしくお願いします。まず最初に僕の個人的な印象かもしれませんがTEE PARTYは「突如現れた」という気がします。

TEE PARTY 古屋蔵人 : オープンまでに1年くらいは準備していたんですよ。メジャーのTシャツ業界って、デザイナーやイラストレーターに直接入るお金が少ないじゃないですか。それと一緒にやっている(伊藤)ガビンさんもおっしゃってることですが、雑誌の衰退でイラストレーションやグラフィックデザインの行き場が少なくなっていること、このふたつがTEE PARTYの存在意義かなと思ってます。

そもそもは「オンデマンドでTシャツが刷れる機械をいっぱい持ってます」「1日で3,000枚くらいなら刷れます」という工場に出会って、もしヒット作が出たとしても対応してもらえるかなぁって(笑)。最初に技術ありきな感じですね。

そういう出会いもありまして、なるべく簡略化したオンデマンドでTシャツのデザインばかり、わーっと載っているサイトがあってもいいんじゃないかなぁと思ったんですけど、僕自身はウェブのノウハウはゼロだったんです。そんなとき、雑誌『スタジオボイス』の取材でガビンさんとお会いして「Tシャツのサイトを作りたいんですけど」って相談したら、「じゃあ2ヶ月くらいで作ろう!」と言ってくださったんです。が、結局完成するまでに1年かかりました(笑)。

クラゲ : なるほど(笑)

TEE PARTY 古屋蔵人 : 僕はグラフィックデザインに関する編集の仕事が多くて、ガビンさんは長い経歴の中での知り合いが多いし、幅広い作家さんをそろえられるんじゃないかなと。で、かたっぱしから声をかけたんです。在庫のリスクが無いので「これは他じゃ売らないだろう」というデザインもアップできるんですね。例えば、しりあがり寿さんの「ぞんざい」Tシャツ(笑)。あれが意外と売れてるんですよ。

Tシャツ

クラゲ : 確かにしりあがり寿さんのTシャツは店頭では絶対に並ばないであろう脱力なイラストで、久々に「これはすごい!」と思いましたね。
在庫を持たないことで、デザイナーさんはデザインだけに集中できる。それがすごくいいなと思うんです。Tシャツ作りに興味はあるけど、それにともなうリスクを考えると踏み出せないという人は多いと思うので。

TEE PARTY 古屋蔵人 : 若手をピックアップできるというのもあるし、ほかに出しようのない表現の行き場にもなっている気がしますね。



――メーカーに怒られるようなデザインも?

クラゲ : 僕が最初に「突如出てきた」という印象を持った理由のひとつが、オープンしたてなのにデザイナー、TEE PARTYでの「レーベル」と呼ばれているところですね、それがすごくたくさんあって、デザインもたくさん集まっていたので、「おぉー、なんじゃこりゃ!」と。見た瞬間に「こりゃすごいのが出てきたな」と感じて、一気に全デザインチェックしちゃいました。

TEE PARTY 古屋蔵人 : ありがとうございます。デザインはある程度ためてたんですよ。早い人で半年前から、多い人は100デザインくらい送ってくださって。あまりにデザインが膨大すぎてアップが追いついていない状態です。1日10型以上はアップして、そのうち5、6型はトップページにアップしています。

クラゲ : じゃあ、まだまだ当分は毎日更新が続くんですね。

TEE PARTY 古屋蔵人 : そうですね。それに加えて版権ものとか季節ものみたいなお祭りもやっていきたいと思っていて。まだ企画段階なので詳しくは言えませんが、有名漫画家とか玩具メーカーさんとのコラボレーションも検討中なんです。

クラゲ : 在庫を持たなくていいからかなり攻めたデザインも出てくるんでしょうね。

TEE PARTY 古屋蔵人 : そうですね。中にはメーカーに怒られるようなデザインもあると思うんですけど(笑)。

クラゲ : でも、そこがむちゃくちゃ面白そうですね。

Tシャツ

――今までとは全く違ったTシャツの見せ方

クラゲ : TEE PARTYのサイトを見たときに、今のネットショップとはまったく違う商品の見せ方としていることにビックリして。1ページで一覧のように沢山のTシャツを見せるんじゃなくて、デザインが大きく何枚かだけあってというのが新鮮でした。

TEE PARTY 古屋蔵人 : 最初は小さい画像のサムネイルで見せていこうという話もあったんですが、それではやっぱりインパクトがないと。そこでガビンさんが「それぞれのデザインを大きくしようよ」と言って今のデザインになりました。サイトが重いっていうリスクはあるんですけどね。

クラゲ : 一回見ちゃうと「また見よう、次も見よう」という気になって、次のページを見るのが止まらなくなるサイトですよね。次のページにはもっとすごいのに出会えるかもしれない、という気にさせられます。

TEE PARTY 古屋蔵人 : それはクラゲさんがTシャツ好きだからですよ。

クラゲ : サムネイル式だと見やすいけれど、見やすい分、自分の気になるものだけつまんでパパッと見て終わりになりがちですよね。でもTEE PARTYは、例えて言うなら自分のお気に入りの本屋にふらっと入って「あ、こんな本も置いてるんだ」という発見をするような、ウェブサイトでありながらそういう出会いをさせてくれる場所だと思います。

TEE PARTY 古屋蔵人 : ありがとうございます。でも、完全に偏った本屋ですけどね。それは僕らも反省してるんですけど、人脈もセレクトも完全に偏ってますから。



――Tシャツを「編集的」な視点で解釈する

クラゲ : (笑)。ガビンさんは以前『テレビブロス』でのインタビューのなかで「年々イラストレーター、デザイナーの表現の場がだんだん少なくなってきている」というお話をなさってましたね。

TEE PARTY 古屋蔵人 : そうですね。そういう作家さんをフックアップできるといいなと思いますね。そのためにはとりあえずは継続しないと。

クラゲ : なるほど。まず直近の目標とかありますか?

TEE PARTY 古屋蔵人 : ガビンさんも僕も最も苦手とすることが「飽きずに継続する」ということなんです(笑)。でも、今回は巻き込んでしまった人数が多いので、テンションを下げずにずっと続けることが目標ですね。飽きずに続けることが、低いようでいて実はものすごく高い目標なんじゃないかと。幸い今のところデザイナーさんやイラストレーターさんが画像をいっぱい送ってくださるので、ネタには事欠かないですね。

Tシャツ

クラゲ : クリエイターの方々にTEE PARTYの話を持ち込むと、みなさんどういう反応をなさるんですか?

TEE PARTY 古屋蔵人 : 幸い誘って断られることはほとんどないですね。みなさん乗り気でやってくださいます。Tシャツを作ることは楽しいことですし。

クラゲ : クリエイターさんにお願いするときは、古屋さんやガビンさんが「この人に描いてもらったらどうなるか?」と編集者的目線で考えるわけですね。

TEE PARTY 古屋蔵人 : そうですね、かなり編集的ですね。

クラゲ : WEBページで衝撃を受けたという点では、今話題の「DOMMUNE (ドミューン)」に通じるところもがあるかも、思って見ていました。

TEE PARTY 古屋蔵人 : DOMMUNEもほかのUstを利用したプログラムと一線を画しているのは毎日やっている、継続しているというところがキモだと思うんです。あ、宇川直宏さんも参加予定です。

クラゲ : それは非常に楽しみです!



――日本より先に出来たアメリカ版TEE PARTY?

クラゲ : 「TEE PARTY」っていうサービス名ってどういう由来なんですか?

TEE PARTY 古屋蔵人 : 実は色々な候補名があったんですけど、紆余曲折あって結局一番最初にでた「TEE PARTY」になりました。「TEE HOUSE」とかも候補でしたね。不思議の国のアリスのお茶会みたいな、キチガイ帽子屋みたいなカラフルで盛りだくさんっていうイメージで。

で、名前決まってロゴが出来たところでアメリカでTEE PARTYというまったく同じ名前のサイトができてしまい、さらにオープンの2ヶ月前くらいにアメリカの保守運動のTE“A” PARTYっていうのもはじまってしまい(苦笑)。でもほかに妙案が出なかったので、そのままTEE PARTYでいきました。「TEE PARTY」で検索すると1番最初に出るのはアメリカのサイトだったんですが、最近追い抜いて僕らのTEE PARTYが1位に出るようになりましたね。

クラゲ : 僕も最初「TEE PARTY」ってググったときに「あれ?アメリカ版もあるんだ」って思っちゃいました(笑)

TEE PARTY 古屋蔵人 : 僕らもショックでした。

Tシャツ



――TEE PARTYの大きなテーマは?

クラゲ : Tシャツに軸足を置いたのはどうしてですか?

TEE PARTY 古屋蔵人 : 布地へのオンデマンド印刷の技術があがってきたことが大きいですね。プリントの技術的にはキャップやトートバック、キャンバス生地のスニーカーにも刷ることができるんですけど、シンプルにTシャツのだけの方がいいんじゃないか?というのがあって。それとオンデマンド印刷の本よりもTシャツの方がみんな買ってくれますし。

クラゲ : どのTシャツも3500円均一にしたのどうしてですか?

TEE PARTY 古屋蔵人 : TEE PARTYの大きなテーマが“サービスを複雑化しない”っていうことで、実は生産費的にはボディの色やカラー、プリントのインク、地域によって送料も違う。けど値段もシンプルにしたかったんです。

クラゲ : TEE PARTYを運営してみての手ごたえはいかがですか?

TEE PARTY 古屋蔵人 : 一気に注文がきたら工場は対応できるのかってのがあって、オープンしてからまだプレスリリースも出してなくて。なので Twitter 上(@teeparty_jp)でしかプロモーションしていない状態ですが、Twitter での反響、アクセス数もかなりありますね。

クラゲ : 東京Tシャツ部をご覧の方に一言いただけますか?

TEE PARTY 古屋蔵人 : お客さんにずっととっておいてもらえるようなTシャツを1枚でも多く出したいですね。それとサイト自体がTシャツを買う行為がエンターテインメント化していくように、サイトを盛り上げていきたいです。

クラゲ : 今日はどうもありがとうございました。

TEE PARTY 古屋蔵人 : ありがとうございました。



インタビューはこれで終わりです。

古屋さんに色々とお話を伺ったのですが、「デザイナー、クリエイターへ正当なギャラが入るTシャツサイト」「イラストレーション、グラフィックデザインの行き場」という大きな2つのテーマがあり、それを表現するための「シンプルなサイト構成」という、骨太なWEBサイトであることが分かり、非常に興味深かったです。

一度サイトを見ると気づいたらビックリするくらい時間が経過してしまう、楽しくTシャツを見ることの出来るサイトなので、是非皆さんもご覧ください。

そして、この楽しさが続いてくれるよう、苦手と言わずに一日でも継続してくれるとうれしいです。

ということで、今回ご協力いただいた「TEE PARTY」のサイトはコチラ。

 TEE PARTY
 http://teeparty.jp/

このインタビューを読んだ後にサイトを見てみると、新しい発見があるかもしれませんよ。

関連リンク

  TEE PARTY を実際に着てみました。
  TEE PARTY の兄弟読みものサイト modern fart

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