第49回目「Tシャツブランドインタビュー」~三宝堂編

第49回目のTシャツブランドインタビューは「三宝堂編」です。

三宝堂のサイトはこちらです

 三宝堂
 http://www.t-sanpodo.com/


今回のインタビューは 三宝堂 さんです。モダンな和柄Tシャツを制作販売している三宝堂さんからどのようなお話が伺えますでしょうか?お楽しみに。

第49回目「Tシャツブランドインタビュー」~三宝堂編 (2009/3/29収録)

クラゲ : 今日はよろしくお願いいたします

店主松葉 : よろしくお願いいたします

クラゲ : では最初にブランドの自己紹介をお願いできますでしょうか

店主松葉 : 和柄でモダンなTシャツ屋、Tシャツ工房 三宝堂です。今までの和柄とはちょっと違った、現代風にアレンジされた和柄Tシャツを作って売っております。

月光
月光

クラゲ : 「三宝堂」というブランド名の由来を教えてください

店主松葉 : 近江商人の「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」の理念から来ているという説が有力です(?)。商売というのは、売り手も喜び、買い手も喜び、その取引自体も世間にとってよいものでなくてはならない。という考え方です。その3つを大切にしていこうということで「宝」の字をあてて「三宝堂」になったということです。

もっともワタシもうちのデザイナーの”いそのめばる”も全く近江商人とは関係ないのですが(笑)。

クラゲ : 三宝堂さんはお二方でブランド運営されてらっしゃるんですね。お二方の関係と役割分担はどのようになっているのでしょうか?

店主松葉 : はい、わたくし店主の松葉と、兄でデザイナーの「いそのめばる」の二人で運営しております。いそのめばる がデザイン担当でその他のことはほとんど全て店主のワタシがやっております。具体的には、仕入れ、製作、発送、ホームページの作成、などなどです。

燕唐草
燕唐草



クラゲ : Tシャツを作り始めたきっかけを教えてください

店主松葉 : 自分で作り始めるまでは無地のTシャツばっかり着てましたね~。お店で探してもなかなか気に入ったものが見つからず、プリントTは2枚しか持ってませんでした。(当時Tシャツは12、3枚持っていましたが…)

そんなこんなで、たまたま いそのめばる に「Tシャツって作れるんかな~」という話をしたんです。すると何日か後に彼は、『インディーズTシャツバイブル』という本を買ってきて見せてくれたんです。そこには、Tシャツを自分で作って売っている人たちのことが詳しく書かれていました。いや~ショッキングでしたね~(笑)。クラゲさんのインディーズ応援コメントで決心がつきました(笑)。

クラゲ : おおー!お読みいただいてありがとうございます

店主松葉 : それからですねぇ、いろいろ調べて自分で作るようになったのは。まぁ昔から物を作るのが好きで、自作のフライ(毛鉤)やルアーを持ってよく釣りに出かけていました。基本的に好きなんですね~、そういう事が。

クラゲ : とは言うもののTシャツつくりはフライ(毛鉤)を作るのとは勝手が違ったんじゃないですか。

店主松葉 : ええ。まず大変だったのは、版割りですね。一番最初はTシャツ君で刷っていましたので20×20cmほどの大きさしか出来ないんですよ(もっと大きなのもあったんですが自分が買ったのは2番目に安い機種だったので…)。

多色で広範囲となると版の数が8枚とかになって、とにかくTシャツ1枚出来上がるまでえらく時間がかかっていました。それでもっと大きな版を作ろうと、いろいろ調べて自分で露光機を作って製版するようになったんです。で、いざ自分で製版してみると乳剤(感光剤)を塗りすぎたり、露光時間が長かったりでまともな版が作れるようになるまで試行錯誤の連続でした。

それまでに全く経験の無い分野でしたから分からないことばかりでしたねぇ。インターネットで調べては自分で試してみて、少しずつ形になっていったように思います。

闇鴉(やみからす)
闇鴉(やみからす)

クラゲ : 「和柄」のTシャツをテーマにデザインをしてみようと思ったのはどうしてですか?

いそのめばる : 和柄のTシャツは当時からちょくちょく目にしていて、面白いなぁと思っていたんです。ただ自分たちが着るなら、もうちょっとマイルドなものがいいと思ってました。ということで、その路線で作ってみようということで決めました。

クラゲ : そうやって試行錯誤されながら刷ったTシャツを販売したのはいつ頃ですか?

店主松葉 : 2005年の夏頃ですね。Tシャツ作りを始めたころから「作るからには売りたい!」という気持ちがありましたから、それには、まずはネットショップから始めようというのが始まりです。幸いデザインの仕事をしていた兄の いそのめばる がTシャツのデザインに興味を持ってくれたので、ネットショップを始められる程度の種類が揃うのに、それほど時間はかかりませんでした。

クラゲ : はじめてネットショップでTシャツが売れたときの感想を覚えてらっしゃいますか?

店主松葉 : ネットショップを開店してから3ヶ月ぐらい経った頃です。最初に売れたときは「まさか?本当に?」って思ってしまいました。売るためにネットショップをやっているのに変な話ですが(笑)。友人や知り合いに商品を見てもらって、けっこう評判が良かったので「何とか売れるかな」と思ってお店を始めましたが、全く売れないまま1ヶ月過ぎ、2ヶ月過ぎ半分諦めかけた頃の一筋の光でしたね~。

でもすぐに冬になってまた売れなくなりました(笑)。ぽつぽつと注文が入りだしたのは翌年2006年の春ごろです。

クラゲ : そこからネットでTシャツを販売され続けてみていかがですか?

店主松葉 : 私の場合はネット販売をするためにパソコンを購入してメールやインターネットを始めたほどの初心者でしたから、ホームページの作成はもうパソコンとの格闘でしたね~。何回も何回も作り直して、とにかく最初は大変でした。そうやって苦闘しながらもうれしかった事は、当店のTシャツを贈り物としてご購入頂いたことですね~。

どなたかへのプレゼントにとインターネットでインディーズTシャツを探されて、おそらく色んなTシャツを見られた中で、その中でも当店のTシャツを選んでくださったというのは、本当に、あらためて「認められたんだな~」という気がしました。



クラゲ : 現在色々な種類のTシャツを販売されてますが、アイデアはどのように考えていらっしゃいますか?

いそのめばる : 普段から写真集や資料集を見るのが好きで少しずつアイデアをストックしていますね。寝る前とか、歩いてる時、お風呂にゆっくり浸かってるときなど、リラックスしてるときに断片的なアイデアがつながったりします。

店主松葉 : 風景とか生き物や植物とか、何かを見た瞬間にヒントみたいなものが浮かぶことがあります。それをふくらませていく感じです。

クラゲ : そんなお二方が自分の作品の中で特にお気に入りのTシャツはどちらですか?

いそのめばる : 「秋鹿紅葉」です。前年に作成していたのがシーズンを外してしまい、1年間じっくり熟成させたんです。次の年にナチュラルのボディーでも作ることになって、鹿の部分の版を全面的に作り直しました。とくにバーガンディーの方は色を決めるのに苦労した甲斐があり、予想を超える仕上がりになりました。

秋鹿紅葉
秋鹿紅葉

店主松葉 : 初期の作品の「雷神」ですね~。

雷神
雷神

雷神のTシャツをネットで探してみても俵屋宗達の屏風図がベースになっているものがほとんどで、和柄モダンで売り出すからには全く新しい風神雷神にしたかったんです。ということで、どちらも雲をメインにした構図でキャラクター化してみました。当店ならではの風神・雷神に仕上がっていると思います。

風神
風神

クラゲ : Tシャツを拝見してますと多色刷りの作品が多いので色々なご苦労があるかと思うのですが…。

店主松葉 : やはり版ずれ(重ね刷りをする際にプリント済の部分が縮んで次の版と合わなくなってしまう)です。ずれ方がその時々で違いますから。それを解消するために近所のホームセンターに連日通いましたよ(笑)。印刷台と下敷きが今使っているものになってからはだいぶその点は良くなりました。

クラゲ : ほうほう。では、デザインを考える際も「多色刷り」を意識してデザインを考えてらっしゃるんですか?

いそのめばる : デザインは普通に絵を描く感覚で作っています。基本3色刷りくらいで考えていますので、特に多色刷りにしようと意識するということはないです。逆に最近出した単色刷りTシャツの場合は、単色のデザインを意識して描き込みを増やしたりということはありますね。

梅に鴬
梅に鴬

クラゲ : そんな三宝堂さんが他のブランド自慢できるところはどちらでしょうか?

店主松葉 : 色使いですね。実際のTシャツに色をのせながら納得できるまで調整しているので、インクはそのままの色で使うことはまず無いですね。ほとんど混ぜ合わせて使っています。あと、いくつかのブランドさんもそうされていますが、ボディーの色によってよりプリントが映えるように、版を2パターン(濃色用・薄色用)用意したりします。

クラゲ : 色使いというと和柄Tシャツなのに「翡翠(かわせみ)」や「櫻目白図」でミントグリーンやアプリコットなどのポップな色のbodyは珍しいなあ、と以前から思っていたんですよ。ポップなbody色を和柄に合わせてみようと思ったのはどうしてですか?

翡翠(カワセミ)
翡翠(カワセミ)

櫻目白図
櫻目白図

いそのめばる : ズバリ挑戦してみたかった!という感じです。あまりそれまで見たことがなかったので。もちろん最終的にはデザインと相談して決めますが。



クラゲ : 三宝堂さんが気になるTシャツブランドを教えていただいてもよろしいでしょうか?

店主松葉 : 数え上げたらきりが無いですが、特に気になるのは「ちくわぶ」さんと「Mars16」さん、「capital radio one」さんですね~。

ちくわぶ」さんはアイデアがとにかく面白い!奇抜で柔軟でTシャツに秘められた可能性をどこまで引き出していくんでしょうか!「Mars16」さん、「capital radio one」さんはデザインのクオリティーの高さが抜きん出ているように思います。みなさんTシャツを熟知したプロの仕事という感じです。

クラゲ : では、シンプルな質問で「三宝堂さんにとってTシャツとは?」

店主松葉 : ホームページやイベントを通じて自分たちの作品を見てもらったり、直接感想を聞いたり出来る身近で魅力的な表現の手段です。絵画や美術品とはちがって、気軽に着たり買ったりできるところがいいですね!

はしご酒
はしご酒

クラゲ : 今後の目標を教えていただけますでしょうか?

店主松葉 : 新作を作り続けることと、僕らのTシャツを直接見てもらう機会をもっと増やすことです。ということで!この場をお借りして、Tシャツ工房三宝堂の商品を実店舗で取り扱っていただけるお店を探しております。日本国内であればどこでもOKですっ!Tシャツ工房三宝堂ホームページお問い合わせページから、お気軽にご連絡下さいませ!

クラゲ : 最後に東京Tシャツ部をご覧の皆様に一言いただけますでしょうか

店主松葉 : 5月・8月に東京で開催されるTシャツ・ラブ・サミットや6月に名古屋で開催されるクリエイターズマーケット、そして秋葉原ワンダーTシャツフェスティバル(初参戦はクラゲ枠でしたよ!クラゲさん、応援してくださっているみなさん、有難うございます!)などなど、今年も積極的にイベントに出店いたしますのでぜひ実物を見に来てください!

クラゲ : 今日はありがとうございました

店主松葉 : ありがとうございました

いそのめばる : ありがとうございました

月光
月光



対談はこれで終わりです。

Tシャツ制作をはじめたきっかけが『インディーズTシャツバイブル』だったということをお伺いし、ビックリと共にうれしい限りです。

そして、ポップな色の和柄という点では、是非皆さんに三宝堂さんのTシャツを見ていただきたいです。

ということで、今回ご協力いただいた「三宝堂」のサイトはコチラ。

 三宝堂
 http://www.t-sanpodo.com/

このインタビューを読んだ後にサイトを見てみると、新しい発見があるかもしれませんよ。

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