第38回目「Tシャツブランドインタビュー」~SOON編

第38回目のTシャツブランドインタビューは「SOON」さんです。

SOONのサイトはこちらです

 SOON
 http://www.stayon-ornot.com

今回はクラゲが個人的に大好きな SOONさんにお話を伺ってみました。どんなお話が飛び出すかお楽しみに。

第38回目「Tシャツブランドインタビュー」~SOON編 (2008/7/12収録)

クラゲ : 今日はよろしくお願いします。最初にブランドの自己紹介をお願いいたします。

SOON : こちらこそよろしくお願いします。SOON です。「物語性のあるデザイン」を志向し、バックグラウンドを想起させたり意味を探らせたりする余地のあるデザインを模索するブランドです。デザインを見て、着て、「どういう意味かな?」とか「何が描いてあるか」などと感じてもらうTシャツを作っています。

STRAWBERRY TALK
STRAWBERRY TALK

クラゲ : SOONさんのブランド名の由来を教えてください。

SOON : 「SOON」とは「Stay On , Or Not?」の頭文字をとったもので、「(期間が過ぎても)引き続き留まる?」あるいは「残る?」のような意味です。

小説を読んだり音楽を聴いたりといった行為にはストーリーやメロディが忘れ去られた後に残るものがあるんですが、それを自分では例えば「物語の残滓(コア)」と呼んでいます。稀に、それが強烈な体験として次の小説を選ぶことを阻んだりするのですが、いつまでもその部分にまみれてうだうだしてるのが自分的には気持ちよかったりするので、それがテーマになっています。

また、「いつになったらそこから動くんですか?」という問いに対して、「もうすぐ」と曖昧に答えている感じでもあります。

クラゲ : SOONさんのお好きな作家・アーティストを教えていただいてもよろしいでしょうか?。

SOON : Banksy (バンクシー)の影響というものは知らず知らず受けてると思います。自分がしつこく謳ってる「物語性」とかは、もしかしたら Banksy からも感じているものかも知れません。

WICKED
WICKED



クラゲ : 最初にTシャツを作り始めたきっかけを教えてください。

SOON : きっかけは、大学生のときでしょうか。とある美術大学に通っておりまして、同級生がTシャツを作って売っていたのを見て真似したくなりました。

アイロンプリントを経た後はプリントゴッコなどの簡易シルクスクリーンでも個人的な遊びとしてTシャツを作っていました。学生時代にシルクスクリーンを授業でやった頃から手刷りはへたくそで、とてもじゃないけど売り物レベルのものは一枚として刷ることができませんでした。

World's End Girlfriend
World’s End Girlfriend

クラゲ : ネットでTシャツを売り始めた時期ときっかけを教えてください。

SOON : 数年前(おそらく2004年)、友人が自分で本を作りました。(これも大変楽しい遊びでした)。

流通にのらないので同人誌の類ですが、それなりにこだわった本です。その本の装丁を任されデザインした際に悪ノリで同デザインのTシャツを制作したのが始まりです。そこから本格的にネット販売なるものをはじめてみようかと思いました。

クラゲ : そのときに販売されたTシャツは現在もご自身のサイト上で販売されてますか?

SOON : そのものは販売していませんが、『中毒』と『LONDON』のベースとなって今も生きています。あと、トートバッグの柄も同じシリーズです。トートバッグのオマケの缶バッジの柄も、同じモチーフのキャラクターを変形させて遊んでるうちに亜種のようなデザインが30匹ぐらいできてしまったので、その中から出来の良い2匹を選んだ覚えがあります。

Hi-Skool SK8
Hi-Skool SK8



クラゲ : ネットでTシャツを販売されてみていかがでしょうか?大変なこと、うれしかったことをそれぞれ教えていただけますか?また他に面白いエピソードがあれば是非。

SOON : 大変なことは、まず集客です。

サイトのアクセスアップもそうですが、それにもまして実売に繋げることの難しさ、です。未だ成功はしていません。(商売のコツがまったく分かっていないということだと思います。)。

うれしいことは、買ってくださる方のいることです。「いいと思うこと」と「買うこと」の間には実はけっこうな隔たりがあるので、購入を決めてもらえることがうれしいことです。

事実関係が未確認、という前提でですが、aiko が着てる、といった話を耳にします。「 aiko が着てるというのは本当ですか?」という問い合わせをもらったり、インターネット上の某掲示板の某スレッドではまことしやかに着用Tシャツ一覧にあげられていたりしました。同じように、加藤ローサのケースもあります。

diggi'n
diggi’n

クラゲ : Tシャツのアイデアはどのように考えてらっしゃるんですか?

SOON : 特徴的なことといえば、「リミックス」のようなことをやっています。物語性のある、というのを売りにしているので本当にストーリーを作るのですが、そのときに削られていった要素や印象的でないシーン、あるいはまったく別のストーリーの一要素、そういったものをブレンドしたりクロスフェードしたりして新しいデザイン要素を作り出します。

普段からこういう制作プロセスを踏むのですが、Tシャツで試してみると存外面白いと感じました。

クラゲ : もし現在発売中のTシャツでそれぞれ物語関係のあるTシャツがあればそれぞれお教えいただいてもよろしいでしょうか?。

SOON : 直接的にあれとこれが関連性がある、といったことは意識していません。ですが、結局のところほとんどのものが対になったり影響を与え合ったりして、バトンリレーの関係になっています。でも、物語としては別の話でしょうか。ある物語の主人公が、別の話には端役で出演しているようなものだと思います。

リミックス作業において心掛けていることは、関連付けではなく印象の変化です。スローな曲をアップテンポにするようなことがTシャツデザインでもできたら面白いなと思っています。

涅槃Hallcination
涅槃Hallcination



クラゲ : そんなSOONさんにとってTシャツとは?

SOON : アレステッド・ディヴェロップメントの『アフリカズ・インサイドミー』という曲に「音楽学校に通えないしギターヴァイオリン、チューバも買えない。けど母さんはレコードプレーヤーとシングル盤を持ってて、おれはそれでライブごっこしたりスクラッチしたりブレイクビーツを作ったり色んなことをしたよ」といった歌詞があります。

つまりは、Tシャツはターンテーブルです。

クラゲ : 気になるTシャツブランドを教えてください。

SOON : ユニクロUT等、大手が作るTシャツです。

メジャーには作れないTシャツというものがあるし、流通に乗らない「いいもの」があると信じてはいます。(あるいは、「いいもの」は1種類ではない、と信じています。)。

昔好きなインディーズバンドがありまして、どんな有名なメジャーバンドよりも素晴らしくて自分が好きであれば有名無名は関係ないと信じて疑わなかったのですが、いつのまにか契約も切られていずこへ消え去ってしまいました。

ここらへんは今後の研究課題です。

サラウンド
サラウンド

クラゲ : SOONさんの今後の目標を教えてください。

SOON : どなたかマネーの嗅覚がある方に私のための会社を運営していただき、そこで今以上にこだわったTシャツデザインを日々量産する、という他人任せなビジョンがあります。

あと、現在はとりかかっていないジャンルのTシャツにも興味があるので実現させていきたいところです。パロディや音楽Tシャツ、あるいはサブカルチャー寄りのモチーフ。そういうものを自分が作ったときにどうなるのかはぜひ試していきたいです。

クラゲ : 最後に東京Tシャツ部をご覧の皆様に一言いただけますでしょうか。

SOON : Tシャツが大好きな皆様へ。私もTシャツが大好きです。

「物語性」と言うならば、小説や映像にすればいいところを、シーンや想いを切り取ってTシャツにしています。なんでそんなことをするのかと言えば……その問いに対して明確に答えられるように、今後を展開していこうと思います。つきましては、サイトに立ち寄っていただけますと何か面白いことが感じられるきっかけになるかもしれませんので、よろしくお願いします。



対談はこれで終わりです。

このインタビューを改めて読んでみて、SOONさんがおっしゃっていた「物語の残滓(コア)」という感覚をクラゲ自身が感じました。

そして「Tシャツとは?」の質問に対するSOONさんのお答え「つまりは、Tシャツはターンテーブルです」に、しびれてしまいました。最高の答えです。

ということで、今回ご協力いただいた「SOON」のサイトはコチラ。

 SOON
 http://www.stayon-ornot.com

このインタビューを読んだ後にサイトを見てみると、新しい発見があるかもしれませんよ。

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