第12回目「Tシャツブランドインタビュー」~outsidervoice.com 黒いTシャツと青い人生相談編

Tシャツブランドインタビュー第12回目は「outsidervoice.com 黒いTシャツと青い人生相談」です。

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 outsidervoice.com 黒いTシャツと青い人生相談
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第12回目のブランドインタビューは「outsidervoice.com 黒いTシャツと青い人生相談」。サイトには、人生相談とそこから連想されるTシャツ販売という、異色のブランドさん。どのようなお話が聞けるんでしょうか?

第12回目「Tシャツブランドインタビュー」~outsidervoice.com 黒いTシャツと青い人生相談編 (2005/9/17収録)

クラゲ : 今日はよろしくお願い致します。

outsidervoice : よろしくお願い致します。インタビューは緊張しますね。

クラゲ : あまり緊張せずにリラックスしてくださいね。では、最初にブランドの自己紹介をお願い致します

outsidervoice : えー、「outsidervoice.com 黒いTシャツと青い人生相談」です。メッセージ黒Tとアメリカ人アウトサイダーによる人生相談を中心に展開しているサイトです。それから、他にもいろいろあります。今年の春に始めた新参者ですが、このインタビューに招待していただきありがとうございました。クラゲさんには、うちのサイトはどんな風に見えるでしょうか?

世界の見方は、ひとつじゃない。
世界の見方は、ひとつじゃない。

クラゲ : ものすごいユニークだと思ってまして、それで今回のインタビューをお願いしました。 まずは、アメリカ人のアウトサイダーの方が日本人の人生相談を受けるという面白さ。そして、その人生相談をTシャツにしてしまう発想。この2点に非常に興味をもちました。

outsidervoice : どうもありがとうございます。実際には、あまり意図的につくったサイトではないのですが…。まあ、どうせならあんまり目にしないものをというのは、いつも考えるようにしています。

クラゲ : そもそも、現在のようなサイトを作られたいきさつを教えていただいてもよろしいですか?

outsidervoice : えーとですね、直接的には、会社を辞めたから時間ができたということなんですが。数年前には、ふとTシャツを絡めた雑誌をやりたいと思い企画書を書いて、知り合いに配ったりしてまして、その流れもあります。

Tシャツに詳しいわけではないのですが、Tシャツが象徴するようなライフスタイルとか空気に、こだわりたいと思ったのは何でだろうと、今回インタビューを受けるので、振り返ってみると、その伏線はちゃんと10数年前からあったんですけど、そんな昔の話でもいいですか?

9月11日には外に出て、9.11以降の世界について投票しよう。それから家に帰って眠ろう。君の1票の効果を夢見ながら。
9月11日には外に出て、9.11以降の世界について投票しよう。それから家に帰って眠ろう。君の1票の効果を夢見ながら。

クラゲ : もちろんです。是非ルーツを聞いてみたいです

outsidervoice : 実はですね、日本の失われた10年とかという名前がついている時期の7年間、私はニューヨークに住んでいました。ライブハウスに週何回か行くというような、あの頃はいいバンドもたくさんいたし、楽しい生活を送っていたんですけど、日本に関しては、終身雇用の終わりとか能力主義とか、明らかに自分たちの首を絞めるようなことを一生懸命にやっているというニュースが入ってきてました。あと、女子高生のスカートがすごく短くなったというニュースも入ってきてましたけど。

クラゲ : ほう

outsidervoice : 日本は住みにくくなりそうだなあ、と心配していたら、日本に一時帰国する度に、特に90年代の後半はどんどん暗い雰囲気になっていて、参ったなと思っているうちに帰国となったんですが、帰ってみたらアメリカ型ビジネス賞賛の嵐はすごかったです。

でも、アメリカ人は、すごい暢気だったり、自分勝手だったり、宗教の影響で金儲けには今ひとつ罪悪感を持っていたり、市場主義にもある程度ブレーキがきくんですけど、日本人の場合、そういう要素がないのに、生真面目にそういうことを追求してしまって、やっぱり自殺者はどんどん増えるし、通勤電車は毎朝人身事故とけんかで遅れるし、すごい暗い気分になりました。

クラゲ : 確かにそうかもしれませんね

outsidervoice : Number Girl などを聴いていると日本の新しい息吹みたいなものも感じたのですが、日常生活があまりに、まさに閉塞感でした。そして最後に勤めた会社が、すごい会社でまさに経営者のお望みどおりにしたら、こうなるみたいな感じだったので、ちょっとこのまま続けるのは、人間として問題がある(笑)先祖様にも子孫にも申し訳ないと思って辞めたのですが、ちょうどTシャツを絡めて何かをやりたいと思っていたことも影響して、「こんなことをやっているよりTシャツ的生き方だ」とか「自分にも日本にも必要なのはTシャツ的気分だ」「日本にはTシャツが足りない」と、強引に思い込んだのです。今考えると少し謎ですが・・・。辞めたときに Chip が「おめでとう」というメールをくれて、それでやりとししながらサイトの形ができました。Chip のことがいきなり出てきましたけど…

マイライフ
マイライフ



クラゲ : そうそう、Chip さんについてもお伺いしたかったんですよ。ご存知無い方にご説明いただいてもよろしいでしょうか?

outsidervoice : はいわかりました。Chip Eckton というんですけど、青い人生相談の回答者です。彼のプロフィールはサイトに詳しく書いてありますからそれを見ていただくと一番いいと思うんですが、ニューヨークで最初に働いていた職場の同僚だったんです。

毎週、彼のところに Village Voice (NY のタウン情報紙)を持って行って、ライブハウスのスケジュールのページを見ながら、推薦バンドを教えてもらっていたんです。そのほか、何か知らないことやわからないことがあるといつも彼に聞きに行ってました。思えば、彼が人生相談に答えるというのは、その頃から素養としてあったんですね。今、気づきましたけど。

クラゲ : 毎回、色々なジャンルの人生相談に答えていただいているChipさんは日本人が抱えている悩みについて、何かおっしゃってます?

outsidervoice : 日本人の特徴という意味で?

クラゲ : そうですね。アメリカの方が現在の日本を及び日本人をどのように見ているのか教えていただければ

outsidervoice : アメリカ人一般が日本や日本人をどう見ているかについては青い人生相談 #07 の回答の前半を読んでいただくとわかると思うんですが、彼自身は人生相談で回答するとき、日本人ならこうだろうみたいなことは、あまり考えている気配がないですね。個々の相談者の状況を細かく浮かべる努力はしているようですが。

彼にはそれこそいろんな国の友達がいるのですが、日本人との付き合いも長いので、日本人に対する彼自身のイメージは、一言でいえないくらいかなり複雑になっていて、単純な固定観念は持てなくなっているというでしょう。ひとつつけ加えると、自分の言葉を日本人に読んでもらえるのは、理由はわからないけどすごくしっくりくるということを、サイトを始める前に彼は言っていました。なぜか日本に向けて発信したいと…。なんでですかね。

それで、このサイトも始まったんですけど。クラゲさんが読まれてどういう印象ですか。彼の語り方とか。日本人の捉え方とか。

あるものを楽しむ。
あるものを楽しむ。

クラゲ : 僕はいつも人生相談を拝見させていただいているんですが、Chip さんはすごいフラットな方だなぁと思ってます。そして本当の意味での大人ですね。悩みを受け止めた上で答えを押し付けないんだけど、自分の意見はしっかり伝える。ウェブの文章でしか見たことがないんですが、非常に興味を持っています
outsidervoice : 確かにフラット、まっ平らで、鏡みたいなので、結局、自分の姿が映ってしまう、最後は自分で考えてもらうというのが彼のスタイルですよね。



クラゲ : そこで、非常に興味深い Chip さんとのやりとりを、「Tシャツ」にしようと思ったキッカケを教えていただいてもよろしいでしょうか?

outsidervoice : しばらくは、いろんなデザインのTシャツを考えていたんです。だいたい笑えるようなものばかりを狙って。実は先にイラストがいくつかできていて、でも、これにもうひとつ力が欲しいなあと思いつつ、描きためていたんですが、Chip が唐突に、サイトで日本人向けに人生相談をしたいとメールをよこしてきたんです。

以前 Chip に「君は最高のアドバイザーだよ。人生相談したらすごいみんなの役に立つよ」と何かのメールのついでに書いたことがあって、それが彼の頭にずっとひっかかっていたみたいなんですが。それで、じゃあ、合体しようと…。

つらい記憶の克服とは、過去を忘れることではなく、そこから学ぶこと。
つらい記憶の克服とは、過去を忘れることではなく、そこから学ぶこと。

クラゲ : けど、普通であれば、人生相談は web サイトに掲載して、Tシャツは別で販売って考えると思うんですが、「人生相談がテーマのTシャツ」になったのはどうしてですか?

outsidervoice : そういえば、そうですよねえ。今思い出すとですね、Tシャツというのは何でも放り込める素材という思い込みがまずあって、それでイラストだけじゃなくて他にも何かを放り込みたいと考えているところに、Chip が人生相談をやりたいと言ったので、じゃあ、人生相談も放り込もう。ということになって、それで、中途半端でもとにかくスタートしようということで、サイト名を何にしようか考えていたら「黒いTシャツと青い人生相談」というのが浮かんで、それで、「人生相談がテーマのTシャツ」に限定されてしまったんですね。今、わかりました。

クラゲ : Tシャツは以前からお好きだったんですか?

outsidervoice : Tシャツ業界関連とか歴史の本は持ってますが、コレクターでもマニアでもありません。でも「Tシャツ」という雰囲気というかそこにつながっているイメージというのは、ずっと考えてきました。なんと説明したらいいんでしょうか。Tシャツを抽象的に考えるのが好きというか。何なんでしょう?

具体的なこともひとつ思い出しました。アメリカで売っていたバンドTシャツとかコンサートTシャツの雰囲気は大好きでした。最初の頃のロラパルーザのTシャツとか大事に持っています。

クラゲ : Tシャツのデザインは人生相談のお答えからイマジネーションを膨らます感じですか?

outsidervoice : そうしようとして、いつも考えるんですが、なぜか、たいてい以前に没にしたものが、新しい言葉にくっついてしまいます。言葉だけのときは、その気分にどっぷり浸かると、ひとつに決まってきますけど。

ガキってバカだよな(あるいは俺たちみんなバカ)。
ガキってバカだよな(あるいは俺たちみんなバカ)。

クラゲ : 今年の春からTシャツの販売をされたそうですが、ネットでTシャツを売ってみて感触はいかがですか?

outsidervoice : 売り上げ的には、業界本で読んだ印象と全然違いますよね。でも、サイトには十分多くの人に来てもらっているし。正直言って、こんなに人が来てくれるとは思いませんでした。まあ良い趣味ができたという感じはあります。逆に考えればこんな端っこのものを買ってくれる人も結構いるわけだし、辞められません。でも、改善の余地は大いにあるんでしょうけど。

クラゲ : 他のTシャツブランドさんで、気になるブランドさんとかいらっしゃいますか?

outsidervoice : ユニクロです。せめてユニクロがやらないことをやろうという意味で。



クラゲ : では、最後になるんですが、2つ質問させてください。まず、今後の目標について教えていただいてもよろしいでしょうか?

outsidervoice : 今後の目標は、コアのTシャツと人生相談に関しては、まず続けることです。ひとつの目標としては、例えば、コンテンツが本にしても面白いくらい貯まるまでは何とかやっていこうと。さっき書きましたけど、せっかく良い趣味を見つけたので。

それから、なるべく面白いコーナーを身軽に始めて、身軽に辞めること。今、ゲリラCMの制作とか企画に少し興味を持っています。昔 CM の仕事をやっていて、もう退散したつもりだったんですが、テーマややり方や絡め方によっては、また制作体制が極端に小規模だと面白いかなと。

誰かが代わりに、君の小便をしてくれるわけではない。
誰かが代わりに、君の小便をしてくれるわけではない。

クラゲ : では、最後にTシャツ部をご覧の方に一言いただいてもよろしいでしょうか?

outsidervoice : サイトには東京Tシャツ部経由でずいぶん多くの方に来ていただいているので、まず、本当にありがとうございます。と言いたいです。

それから、これは少し欲張りなのですが、何か感想などを、文句も含めて教えていただきたいな、という希望があるんですが、これは贅沢ですね。とにかく感謝してます。サイトはもっと、面白くしないといけないと思っています。

クラゲ : 今日は色々とありがとうございました!今後も頑張ってください

outsidervoice : こちらこそ、どうもありがとうございました。



対談はこれで終わりです。

人生相談とTシャツがどうつながるのか、ずっと不思議に思っていたんですが、これで謎が解けたような気がします。

ということで、今回ご協力いただいた「outsidervoice.com 黒いTシャツと青い人生相談」のサイトはコチラ。

 outsidervoice.com 黒いTシャツと青い人生相談
 http://www.outsidervoice.com

このインタビューを読んだ後にTシャツを見てみると、新しい発見があるかもしれませんよ。

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